シェフごはんコラム

スパイスを味方につけて医食同源♪「基本のインド料理」パート4

シェフごはんコラム・夏のインド料理シリーズも今回で4回目。そろそろスパイスの魅力にとりつかれ、「もっと複雑で本格的なレシピに挑戦したい!」という方もいるのでは?

今回は、カレーだけでなく、炊き込みごはんやナンまで、奥の深~いインド料理を網羅。本格派インド料理を作る日本人シェフとして草分け的存在であるインド食堂 アンジュナ」 藤井 正樹シェフにとっておきのレシピを教えていただきました。

プラウンマサラ(海老カレー)

プラウンマサラ(海老カレー)

北インド、ムガール料理のひとつ。ムガール料理とは、ムガール王朝時代の宮廷料理の流れをくむ料理法で作られ、スパイスやナッツ、クリームやヨーグルトなどをふんだんに使ったリッチなテイストが特長です。今回のプラウンマサラは、海老のうま味を存分に活かしたマイルドなカレー。まろやかなソースに仕上げるためには、カシューナッツがペースト状になるまでミキサーにかけることが決め手です。また、主役の海老を引き立たせるため、玉ねぎの役目は甘さと香ばしさに重点がおかれています。きつね色になるまでじっくり炒めましょう。手間ひまかかる分、おいしさもひときわ感じられること間違いなし!

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チャナマサラ(ひよこ豆のカレー)

チャナマサラ(ひよこ豆のカレー)

北インド料理のもうひとつの地方料理、パンジャーブ料理の代表格。汁気が少なく、スパイスの風味とトマトの酸味を活かしたカレーです。チャナ、とはひよこ豆のこと。インド料理には欠かせない食材のひとつで、ほくほくとした栗のような風味が特長です。このほくほく感を出すポイントは、一晩かけて、豆をしっかり戻してから調理すること。豆の煮汁にはもうま味がたっぷり含まれているのでスープなどに活用するとよいでしょう。時間がないときは、缶詰を利用すれば手軽ですね。また、野菜のカレーはパウダースパイスを入れてから煮込みすぎないこと。香りを飛ばさないよう、5分程度でOKです。

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野菜のビリヤニ(インド風炊き込みご飯)

野菜のビリヤニ(インド風炊き込みご飯)

インドの米料理のひとつ。本来の作り方は、米とカレーを別々に調理して、大きな鍋にカレーと米を層にして敷き詰め、しっかりフタをして、鍋の上下から蒸し上げる・・・と、なかなかの手間が必要。今回は、炊飯器を使って家庭でもおいしく作れるレシピを教えていただきました。炊飯器といえど、本格を狙うなら米にこだわりを。「香りの女王」とも言われるインドの高級香り米「バスマティライス」を使います。この米の特長を活かすため、スパイス、野菜、米、水のバランスを程良くすることが最大のポイントです。分量はレシピ通りにしっかり計量しましょう。

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ナン(フライパンで焼く家庭バージョン)

ナン(フライパンで焼く家庭バージョン)

インドのパンといえば真っ先に思い浮かぶのがナン。イーストを使わず、ベーキングパウダーとダヒ(ヨーグルト)で発酵させた生地をタンドールという土釜で焼いたもの。インドでは、家庭にタンドールがないので、ナンはレストランで食べるもの、というのが共通認識ですが、今回はフライパンで焼くレシピ!家庭でも気軽にトライできます。発酵の仕方によって風味が変わるので、季節や天気などによって、水分量や発酵時間を調整しながら作ってみるのも楽しいですね。なんといっても焼きたてのナンはカレーとベストマッチ。仕上げのバターをガーリックやチーズに変えてもおいしくいただけます。

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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