豆料理特集
福嶋シェフのテーマ食材「黒豆」
福嶋拓(ひらく)シェフ
1984年6月9日、山形県生まれ。
中国料理
Wakiya一笑美茶樓(東京)主任(2015年10月現在)
高校時代は野球に打ち込むスポーツマン。高校卒業後、中国料理人を志し上京。2004年Wakiya一笑美茶樓に入社。調理経験年数10年。「さらにチャレンジをすると同時に、恩返しをしたい」と語る。
たとえば黒豆煮を上手にリメイクすれば、違う感覚で楽しめる。
- 今回福嶋シェフのテーマ食材「黒豆」の扱い方や、調理アレンジについて教えてください。
- お正月が近いこともあり、黒豆煮のアレンジ料理として中国料理のスイーツ・胡麻団子を考えました。黒ごまあんの代わりに黒豆煮を崩して使います。ラードと混ぜることで甘みも控えめに感じられ、お節料理とは違う感覚で楽しんでいただけるのではないでしょうか。
乾物から使う、もう一品の黒豆料理では、豆鼓(とうち)の作り方を応用しています。塩麹を使うと、ご家庭でも簡単にできると思います。切れ目を入れてから蒸す戻し方は、中国料理の乾貨(乾物のこと)のテクニック。こうすることで、芯までムラなく戻ります。今回は白身魚を使いましたが、豚肉にも合いますよ。
- 福嶋シェフが考える豆料理のコツや魅力を教えてください。
- お店では乾物をよく使います。スペシャリテのフカヒレのほか、アワビやナマコなどは何日もかけて戻しています。植物性の乾物で代表的なのが豆。大豆や白いんげんなどは、酸っぱく煮て前菜として出したり、だしで煮ふくめたりして使います。豆板醤などの調味料にすることもありますね。もちろん、そら豆や枝豆などのフレッシュな豆も不可欠な食材です。
豆の魅力は、力強さでしょうか。火入れした豆はパワーがみなぎっていて、料理のアクセントになったり、味に深みをつけてくれます。豆乳なども、食材のうまみを引き出してくれますね。
乾燥豆の料理のコツは、なんといっても「しっかり戻す」こと。お店では、必ず前日の晩に翌日に使う分の豆を浸して帰ります。一度豆の浸水を忘れたことがあって、慌ててその日の朝に戻したのですが、シェフに一目で見破られて叱られました。しっかり戻さないと、いくら火入れしても芯が残ってしまうのです。 - 福嶋シェフからひと言お願いします。
- 「Wakiya一笑美茶樓」で10年間研鑽を積んできましたが、中国料理の調理法はバリエーションの広さや奥深さがありながら、新たな食材を合わせたり、西洋の調理法も取り入れたりすることで、中国料理にさらなる可能性を感じます。伝統を踏襲しつつ、革新する料理を、ぜひ当店で召し上がってください。
福嶋シェフの「黒豆」レシピ
新鮮魚の発酵黒豆蒸し
特長
乾物の黒豆の戻し方からご紹介します。黒豆を塩麹で発酵させ、スープの調味料のように使う料理です。一晩水につけて戻した豆に切れ目を入れ、豆の芯まで黒い色と塩分を入れていきます。火を入れるときは一定の温度で。時間はかかりますが、よい状態に戻ります。
このソースは、フレッシュなそら豆で作ってもおいしくできるでしょう。
ポイント
黒豆を浸水させるとき、初めから塩と塩麹を入れます。こうすることで豆に塩分が浸透しやすくなります。また、豆は茹でるよりも蒸したほうが、ムラなく豆全体に火入れできます。
蒸しあがった豆は一晩風通しのよいところで乾かします。寝かすことで発酵を促進させています。
黒豆たっぷり熱々黒胡麻団子
特長
お節料理などで食べる、甘く煮た黒豆を活用した一品です。中国料理のお菓子である胡麻団子はとても簡単に作れるもの。今回はあんを黒豆で代用して作りますが、「だだちゃ豆」のあんでも作ることができます。黒豆煮にはラードを混ぜましたが、だだちゃ豆あんの場合はラードは不要でしょう。
ポイント
低温でゆっくりと揚げはじめ、表面のごまが焦げないようにすることがポイントです。中まで火が入ると、油から浮きあがってきます。そこで油の温度を上げて仕上げると、外はカリッと香ばしく、中は柔らかい胡麻団子になります。
明日の才能、未知なる美味を発掘する
2013年に幕を開けた、新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションRED U-35 (RYORININ’s EMERGING DREAM)。夢と野望を抱く、新しい世代の、新しい価値観の料理人(クリエイター)を見いだし、世の中に後押ししていくため、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、日本の食業界の総力を挙げて開催する料理人コンペティションです。
2015年大会へのコメント
この大会では話したいことがいっぱいある人に会いたいです。つまり、それは、自分のクリエイティビティを追求しているということですし、他人のマネをしない人ということでしょう。
クリエイティビティを最大限に発揮して、世界で通用する「これは」というものを見せつけて、僕らに「ああ、やられたな!」と思わせる。
そんな若き料理人と出会いたいですね。
山根大助
ポンテベッキオ オーナーシェフ
RED U-35 プロジェクトメンバー
RED U-35 2015 審査員
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審査員
村田吉弘
菊乃井
主人 -
審査員
門上武司
フードコラムニスト
雑誌「あまから手帖」編集顧問 -
審査員
脇屋友詞
Wakiya一笑美茶樓
オーナーシェフ -
審査員
田崎真也
ソムリエ
-
審査員
山根大助
ポンテベッキオ
オーナーシェフ -
審査員
辻芳樹
学校法人辻料理学館
辻調理師専門学校
理事長・校長 -
審査員
狐野扶実子
料理プロデューサー・コンサルタント
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審査員
山本征治
龍吟
オーナーシェフ -
審査員
須賀洋介
SUGALABO Inc.
代表
RED U-35 総合プロデューサー
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総合プロデューサー
小山薫堂
放送作家
RED U-35 発起人
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発起人
岸朝子
食生活ジャーナリスト
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発起人
滝久雄
株式会社ぐるなび
代表取締役会長
創業者
RED U-35 2015 顧問
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顧問
細川佳代子
NPO法人 勇気の翼
インクルージョン 2015
理事長 -
顧問
浅葉克己
アートディレクター
株式会社浅葉克己デザイン室
NPO法人デザインアソシエーション会長