米料理特集
加山シェフのテーマ食材 「白米」と「最中」
加山賢太シェフ
1984年3月15日、広島県生まれ。
フランス料理
Margotto e Baciare シェフ(2016年8月現在)
18歳で料理の道を志し「モナリザ」「リューズ」「ラトリエ・ドゥ・ジュエル・ロブション」「カンテサンス」等のフランス料理店で修業。さらに日本料理「元麻布かんだ」で経験を積む。異色の経歴を経て「マルゴット・エ・バッチャーレ」のシェフに就任。
どこの料理?と言われるような、オリジナルを目指す。
《米料理》アサリと九条ねぎの炊きたてご飯
当店ではコースの締めとして、炊き立ての炊き込みご飯をご用意し、私が自ら鍋を運びテーブルまでサービスしています。とても喜ばれるので、やっぱりみなさんご飯がお好きだとつくづく感じます。数ある種類の炊き込みご飯の中で、ぜひご家庭で作っていただきたいのは、アサリと九条ネギのコンビです。
まずおいしいカツオ出汁と薄口しょうゆでご飯を炊き、炊き上がってからアサリと九条ねぎを加えます。使用しているのはコシヒカリか、つや姫。というのも、炊き上がったときに米の粒が立っている状態になり、あまり蒸らさずともおいしく食べられるのがいいんですよね。
炊き込みご飯は、米と具材を一緒に入れて炊き上げる方法が一般的ですが、アサリは固くなりますので、必ず最後に入れてください。秋には、焼さんまの炊きご飯もお勧めです。さんまご飯もご飯が炊き上がってからのせたほうが、格段においしいと思います。
《最中の料理》最中を使ったカナッペ
『マルゴット・エ・バッチャーレ』をオープンした時から、キャビアを自分らしい方法で、おいしく提供できる料理をずっと模索していました。ある日、思いついたのが最中の皮を使うことでした。まだどの店でもやっていなかったし、もち米から作る最中には適度な甘さと、具材を邪魔しない食感があるので、どんなトッピングでも合わせやすいんです。そんな背景で誕生した私オリジナルの『キャビア最中』は、おかげさまですぐ評判になりました。
最中は手軽に購入できる食材なので、ぜひクラッカーの代わりにホームパーティのカナッペとして使って欲しいと思います。レシピでは、キャビア、ナスと雲丹、イタリア風トマトのカナッペを3種類ご紹介していますが、その他にツナとマヨネーズ、スモークサーモンとサワークリーム、豚のリエットやいくらなどもお勧めですね。好きなもの、のせたいものがあれば、なんでもOK。カラフルなカナッペを数種類作り、盛り合わせて楽しんでください。
ジャンルを超えておいしいものを提供したい。
私はフランス料理が専門ですが、そこにはあまりこだわっていません。京野菜に代表される日本独特の野菜をよく使うし、昆布出汁も日常的に使っています。フランス料理にこだわることなく、いろんな料理をお出しするので、お客様から「ここは何料理屋さんなの?」とよく言われますが(笑)、むしろそう言われたほうが嬉しいですね。ジャンルに関係なく、おいしいものをいっぱい食べてもらいたいという気持ちで、毎日仕事しています。
自由な環境で日々仕事させていただいているので、すごく幸せだと感じています。5年後には、海外で活躍していたいなぁ。どこの国かはわからないけど、海外に出店し、シェフとして評価されることが、未来の大きな目標です。
加山シェフの「白米」と「最中」レシピ
アサリと九条ねぎの炊きたてご飯
特長
炊きたてのご飯を楽しんだ後は、アサリ出汁をかけて。2パターンの食べ方で楽しむご飯です。
丁寧にとったカツオ出汁と、アサリのうまみが凝縮されたスープを合わせたおいしさに感動する炊き込みご飯です。さらに大葉やねぎ、海苔の風味が加わって、うまみと香りの両方を最後まで味わい尽くせる最強の一品に。オーブンでご飯を炊き上げるという、和風の料理を洋風の手法で完成させるフレンチシェフのワザで、美味しい炊き上がりに仕上げます。
コツ・ポイント
耐熱容器に入れた米が沸騰してきたら、200度のオーブンに入れ、13~15分加熱して炊き上げます。このほうが失敗なく、よりおいしいご飯が炊けますのでぜひトライしてみてください。九条ねぎは、斜めに薄切りしたあと冷水に放つとカールした形状になるので、ご飯にのせると見た目も華やかな具材になります。
最中を使ったカナッペ
特長
餅を薄く伸ばして作る最中の皮は100%餅米由来の食材。和菓子やアイスクリームでしか馴染みのない最中を、アミューズとして使うという斬新な一品。目にも舌にも楽しい料理です。軽い食感がクラッカーよりも食べやすく、どんなトッピングとも相性良し。『キャビア最中』にはほんのり刻んだ桃を入れて、夏の香りもプラス。店でも春なら桜のコンフィチュール、秋なら栗などを少々加えることで、季節感を演出するそうです。
コツ・ポイント
最中の皮は水分を含むと湿気やすく、食感が変わってしまうので、水気の多い具材は避けましょう。あらかじめ調理した具材を、食べる直前にトッピングして仕上げ、できたてを食べてもらうのがベストです。
明日の才能、未知なる美味を発掘する
2013年に幕を開けた、新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションRED U-35 (RYORININ’s EMERGING DREAM)。夢と野望を抱く、新しい世代の、新しい価値観の料理人(クリエイター)を見いだし、世の中に後押ししていくため、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、日本の食業界の総力を挙げて開催する料理人コンペティションです。
2016年大会へのコメント
日本は海外に比べて若い料理人に与えられるチャンスが少ない。そんな中で、RED U-35は若い料理人を輝かせる希望の光であると考えています。RED U-35に挑戦することは、自分の将来が開けるだけではなく、ほかの料理人へ希望を与えることにもつながり、料理界全体を盛り上げることでもあるのです。いずれは自分で店をもちたい、世界に冠たる料理人になりたいと考える志のある若き料理人を待っています。
村田吉弘
菊乃井 主人
RED U-35 プロジェクトメンバー
RED U-35 2015・2016 審査員
-
審査員
村田吉弘
菊乃井
主人 -
審査員
門上武司
フードコラムニスト
雑誌「あまから手帖」編集顧問 -
審査員
脇屋友詞
Wakiya一笑美茶樓
オーナーシェフ -
審査員
田崎真也
ソムリエ
-
審査員
山根大助
ポンテベッキオ
オーナーシェフ -
審査員
辻芳樹
学校法人辻料理学館
辻調理師専門学校
理事長・校長 -
審査員
狐野扶実子
料理プロデューサー・コンサルタント
-
審査員
山本征治
龍吟
オーナーシェフ -
審査員
須賀洋介
SUGALABO Inc.
代表
RED U-35 総合プロデューサー
-
総合プロデューサー
小山薫堂
放送作家
RED U-35 発起人
-
発起人
岸朝子(故人)
食生活ジャーナリスト
-
発起人
滝久雄
株式会社ぐるなび
代表取締役会長