シェフごはんコラム

いつもの食材をいつもと違う一品に♪「フランス家庭料理」レシピ

“フランス料理”というと、高級食材を使った繊細な料理、というイメージがありますが、日本や他の国と同じように、毎日家庭で作られている手軽で素朴な料理もたくさんあります。使う食材もいたってシンプル。今回は簡単にできるフランス家庭料理のレシピを、フレンチ一筋でその道を究めるア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー牛之濱慎悟シェフに教えていただきました。あらゆる料理ジャンルのシェフが名を連ねる「シェフごはん」だからこそ、さまざまな国の家庭料理レシピも充実。今回の3品は簡単にできるものばかりなので、すぐ「我が家の定番」に仲間入りしそうです!

グラタン ドゥフィノア(じゃがいものグラタン)

グラタン ドゥフィノア(じゃがいものグラタン)

フランス南東部、ドフィネ地方の郷土料理で、じゃがいもだけを使ったシンプルなグラタン。グラタンとは、もともと鍋の底のお焦げのこと。転じて、オーブンなどで焦げめをつけた料理の名前になりました。一般的なグラタンはベシャメルソースを作るところから始まりますが、このグラタンはじゃがいものデンプンを利用してとろみをつけるので、断然簡単! じゃがいもは、男爵系だと煮崩れしやすいので、メークイン系を選びましょう。現地では、肉料理のつけ合わせとしてもポピュラーな一品。余ったら、翌朝パンに挟んで食べても美味しい♪

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レギューム・ア・ラ・グレック(ギリシャ風ピクルス)

レギューム・ア・ラ・グレック(ギリシャ風ピクルス)

レギュームとは、フランス語で「野菜」、ア・ラ・グレックは「ギリシャ風」。フレンチではコリアンダーを使った料理に「ギリシャ風」という表現を使います。これもそのひとつ。コリアンダーシードの香りと白ワインビネガーの爽やかな酸味が、これからの季節にピッタリ。ポイントは、野菜を強火でサッと炒めること。時間にして30秒ほどでOK。余分な水分が出るのでマリネ液がしみこみやすくなります。紫人参や赤カブ、ラディッシュなど色落ちのしやすい野菜は、別容器に分けて漬けましょう。一晩、冷蔵庫で寝かせてからが食べ頃。彩りが美しいので、つけ合わせにしても。

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豚フィレ肉のピカタ

豚フィレ肉のピカタ

イタリア、フィレンツェ発祥の料理で、元来は、薄切りの仔牛肉に小麦粉をまぶしてバターで焼いたもの。フランスでは、叩いたお肉に粉チーズを加えた卵液をからませて、バターで黄金色に焼いたものが一般的。ピカタは焦がさずじっくり焼くのが鉄則。バターの泡の状態をしっかり見はりながら、火加減を調整しましょう。今回は手軽にできるマスタードマヨネーズソースを合わせましたが、シンプルにレモン汁をかけたり、パセリやケッパーなどを使ったタルタルソースなどでもいいでしょう。やわらかく、ふんわりとした焼き上がりにほっぺが落ちること間違いなし!

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世界には、まだ食べたことも、作ったこともない家庭料理が星の数ほどあるでしょう。ひとつでも多くそれを知ることで、同じ食材でも、いろんな味わい方を楽しむことができます。そうやってレパートリーを増やしていくのも料理の楽しみのひとつ。普段使いができる各国の家庭料理の引き出しを増やしたら、日々の食生活がどんどん豊かになりますね。

文:一杉さゆり
写真:榊智朗

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