そば(蕎麦)

そば(蕎麦)

ツヤのある黒茶色を呈し、独特の三稜体を形成している「そばの実」。日本では、古くから、収穫されたそばの実を石臼によって製粉し、一旦そば粉とし、そばがきや、そば麺に加工し食してきました。また、古来から日本の行事には決まったものを食べる習慣がありますが、「そば」もさまざまなシーンに登場し、節分そば・雛そば・年越しそば・引っ越しそばとして親しまれています。「年越しそば」を食べる風習は江戸時代中期頃に始まり、「そばのように細く長く生きて寿命を全うし、家運が末永く続くように」「切れやすいそばのようにさっぱりと一年の苦労や災いと縁を切ろう」との願いがこめられています。また、引越の後、家主やご近所に挨拶のためにそばを配る「引っ越しそば」の風習は、江戸時代末期頃に始まり、そば(近く)に越してきたことに引っ掛けて、「おそばに末長くお付き合いをよろしく」という願いを込めた風習だと言われています。

食材のトリビア情報

【そばが”せいろ”に盛られる理由とは!?】
”せいろ”はもともと団子や饅頭を蒸すための器。江戸時代初め、そばにはまだつなぎの小麦が使われておらず、茹でると切れやすかったため、せいろで蒸す「蒸しそば」が食べられていたという説があります。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 11月~12月
栄養素トピックス そばは白米と同じく必須アミノ酸をバランスよく含み、ほかの穀類と比較するとたんぱく質の含有量が高く、良質のたんぱく源となります。(※1)また、ポリフェノールの一種であるルチンが含まれている点も、注目すべきポイントです。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)そば・小麦粉・米たんぱく質比較
選び方 乾麺はまっすぐに揃っていて、よく乾燥しているもの、表面がつるつるしているものが良質です。そば粉の割合が高いものを好む場合は、二八そばや十割そばを選びましょう。
保存 生麺は、ペーパータオルで包んでラップをし、冷蔵保存します。乾麺は、密閉して風通しのよい冷暗所で保存しましょう。
調理ポイント 蕎麦を茹でる時は、生麺・乾麺ともに、たっぷりのお湯で茹でましょう。乾麺には、茹でる前に約5分水に浸してから茹でるという方法もあり、食感、味、共にアップすると言われています。
茹でた後はよく水洗いしてぬめりをとり、氷水で締めるとコシが出ます。
温かいそばは、サッと湯通しして温めて食べるようにしましょう。
品種や種類 北海道を中心に生産されている、黒褐色の粒が特徴の「北早生そば」、関東から中国地方にかけて広い地域で栽培されている、濃褐色で大粒の「信濃一号」、冷害に強く粒がやや大きめの黒褐色である「階上早生」などの品種があります。そばは品種による味の大きな違いはないと言われています。

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