ふき・ふきのとう

ふき・ふきのとう

ふきやふきのとうは山野に自生する植物で山菜とよばれます。山菜の多くは早春から初夏にかけて採取されます。技術開発により、近年では管理栽培される山菜も多くなってきましたが、大半の山菜は、人工的に栽培される野菜とは違い、限られた場所で限られた季節にしか採れず、その収穫量もごくわずかです。山菜の若い芽の部分は、これから伸長していくための養分がしっかりつまっている大切な生長点であり、これを外敵から守るために備えられたのが、山菜特有の強いえぐ味や苦味、すなわちアクです。食べる際には、丁寧に下処理を必要とすることがほとんどです。「ふき」は、日本各地に自生しており、古くから親しまれてきました。流通しているほとんどが「愛知早生ふき」という品種です。「ふきのとう」は、ふきの花のつぼみで山菜の中でもっとも早く出回るため、春の訪れを感じさせてくれます。独特の風味とほろ苦さが特徴です。

食材のトリビア情報

【ふきのとうのオスとメス】
ふきは地下に伸びる茎から、まず花が出て続いて葉が地表に伸びてくる少し変わった植物。そしてこのつぼみがふきのとうです。ふきのとうが開花した後、葉が伸び出しふきの旬を迎えます。このふきの花には雄と雌があるのです。その判別は花の色。雄花は黄色く、雌花は白いのです。でもつぼみのときに収穫するふきのとうでは見分けは難しいようです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 ふき:4月~6月、ふきのとう:2月~3月
栄養素トピックス ふきは繊維質な印象ですが、水分を95%含みます。栄養価はふきのとうのほうが高く、ビタミンKと葉酸を多く含みます。また、カリウム、マグネシウム、鉄も含まれています。夕方、足が重たく感じる方やふらつきを感じる方におすすめの食材です。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分、ビタミンK、葉酸、カリウム、マグネシウム、鉄
選び方 ふきは根元のほうを持ってみてあまりしならないものが新鮮です。葉の色が鮮やかな緑で、葉先がピンとし、みずみずしいものが良質です。茎はあまり太すぎないものを選びましょう。ふきのとうは、締りがあり、つぼみがかたく閉じていて、周りの葉で花芽が見え始めるくらいまでのものを選びましょう。大きくなりすぎたものは苦味があるので小ぶりのものを選びましょう。
保存 ふきは、採るとすぐにしおれはじめ鮮度がもたず、保存がききません。手に入れたその日のうちにできるだけ消費しましょう。ふきのとうは、乾燥しやすいので保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。ふき、ふきのとう共に、採って時間が経つとアクがまわり、えぐ味が強くなるので、できるだけ早く茹でましょう。
調理ポイント ふきは、アクが強いので板ずりをしてから茹で、水にさらし、皮をむいてから煮物に使います。葉は塩ゆでし、水に1日さらして苦味を抜き、佃煮などに使います。
ふきのとうは、アクが強く、重曹で茹でると苦味が抜けます。油で揚げる場合は、下茹でする必要はありません。天ぷらにする際は、外葉を1枚1枚丁寧にはがしてよく水洗いし、水気を拭き取ります。
品種や種類 ふきの栽培品種は野生種を選抜したものです。一般的に出回っているふきは、尾張ふきともよばれ、葉柄が太く、根元が赤いのが特徴の「愛知早生ふき」、小ぶりで色や香りがよく、やわらかくて苦味が少ない「水ふき」、肉質がかためで、主に佃煮や砂糖漬けなどの加工食品として利用される「秋田ふき」などがあります。

おすすめレシピ