はくさい(白菜)

はくさい(白菜)

中国北部原産の白菜は、東洋の代表的な野菜のひとつです。華北のかぶと華南のパクチョイの交配でうまれたと言われています。かぶの寒さに強い特性と、パクチョイの大きく枚数の多い葉の特性を併せ持っています。日清・日露戦争に従軍した日本人が中国から種を持ち帰ったことから、本格的な栽培が始まりました。かつては大根に継いで生産量が多い野菜でしたが、白菜漬けを家庭で漬けることもほとんどなくなり、食の洋風化が進むに連れ、需要が下がっていきました。白菜と言えばどっしり、しっかり巻いたものをイメージしますが、もともとの白菜は結球していなかったのです。半結球のものや結球していないものもありました。両手で抱えきれないほどの大きな白菜もありましたが、現在は少人数家族用に、小型やサラダ野菜化への品種改良が進んでいます。

食材のトリビア情報

【白菜ができるまでの長い道のり】
今では白菜と言えば結球しているものを思い浮かべますが、ここまでの道のりは長かったのです。それは白菜から種子をとって再び栽培しようとしても、違う野菜ができてしまうことがありました。結球白菜を定着させるために、他のアブラナ科の花粉と交配しない環境が必要で、研究・栽培が重ねられました。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 11月~2月
栄養素トピックス 白菜は成分の95%が水分です。ビタミンKも多く含まれ、葉酸、ビタミンCも含まれています。(※1)鍋物やスープなどはくさいを煮たときはだしに葉酸やビタミンCが溶け出しているので、だしも飲むとよいでしょう。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分、ビタミンK、葉酸、ビタミンC
選び方 葉に弾力があり、巻きが強いもの、カット白菜は断面が平らであるもの、切り口が割れていないものが良質です。葉にできる黒い斑点は「ゴマ症」といって栄養過多になった細胞にあらわれます。食用に差し支えありません。
保存 丸ごと保存する場合は新聞紙に包んで冷蔵保存します。カットしたものは芯を取り、ラップで包んで冷蔵庫で保存します。旬の白菜は、塩漬け、甘酢漬け、ぬか漬けなどにしての保存もおすすめです。
調理ポイント 農薬は外側の葉に多く残るため、2~3枚むいて使いましょう。漬け物など生食する場合はよく水洗いしましょう。煮物にする場合は火の通りを均一にするために厚みのある芯の部分はそぎ切りにすると、味の染み込みもよくなります。茹でる場合は、沸騰したお湯の中で1分くらいで大丈夫です。白菜は水分が多いので炒める場合は強火でさっと炒めましょう。
品種や種類 一般的な白菜は「結球白菜」で炒め物や煮物に向いています。1㎏くらいの小型の「ミニ」は、サラダなどの生食や煮物に向いています。外葉は緑色ですが中の葉は鮮やかなオレンジ色で、歯ざわりがよい「オレンジ」は、色を活かしてサラダがおすすめです。白菜の変種で「なっぱ」や「べか菜」と呼ばれる「山東菜」は漬け物に向いています。結球しない「長崎白菜」は、やわらかく漬け物や煮物に向いています。

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