さやいんげん(莢隠元)

さやいんげん(莢隠元)

原産地は中央アメリカからメキシコです。豆ではなく若いさやを食べ始めたのはイタリア人で、そこからヨーロッパ中に広まっていき、日本へは江戸時代に伝えられました。かつていんげんは、中に入っている豆をとるために栽培されていました。豆用と若い豆をさやごと食べるさやいんげんでは品種が異なり、さやいんげん用がアメリカから導入されたのは明治時代になってからです。収穫までの期間が短く、1年に3度も収穫できることから「サンドマメ」とも呼ばれています。ツルあり種とツルなし種があり、種子まき後50日前後から収穫できます。また、さやいんげんは、関東では中の豆の形が見えない若採りが好まれ、関西では豆の形がしっかり見てとれるほうが好まれるといった食文化の違いもあるようです。

食材のトリビア情報

【さやいんげんの名前はある人から付けられた】
さやいんげんはある人物の名前から名付けられました。それは「隠元禅師」です。江戸時代に中国から招待された隠元禅師によって日本にもたらされたことからこの名がついたといわれています。4月3日はこの隠元禅師の命日ということもあり、いんげんの日となっています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 6月~9月
栄養素トピックス 成分の90%以上が水分でビタミンKや葉酸も含みます。(※1)また、アスパラガスにも含まれるアスパラギン酸を含んでいるので、疲れを感じたときにおすすめの食材です。またアスパラギン酸はアミノ酸なのでうま味にもなります。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分、ビタミンK、葉酸
(※2)からだにおいしい野菜の便利帳
選び方 肉厚で中の豆の粒が揃っているもの、緑色が濃く、ハリがありさやの先までピンとしているものを選びましょう。全体的に細めでまっすぐのものが良質です。
保存 ペーパータオルで包んで保存袋に入れ、保存袋の口を軽く閉めて冷蔵庫で保存します。さっと塩茹でし、冷めたら保存袋に入れ冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント ヘタを取り、流水の中で1本ずつ丁寧にこすり洗いをし、炒める場合も1度茹でてから使います。茹でる前に塩をまぶして板ずりをすると、表面のうぶ毛がとれるだけでなく、茹で上がったときに色鮮やかに仕上がります。この場合茹で湯の塩は控えめにしましょう。炒め物、和え物、汁物などの青みに重宝します。
品種や種類 一般的なさやいんげんは「どじょういんげん」で、サラダや炒め物、和え物、汁物などに向いています。幅広の平さや種で20㎝ほどの大型の「モロッコいんげん」は、やわらかく煮物に向いています。愛知県特産の30㎝ほどのささげで、やわらかく中の豆が16粒という「十六ささげ」は、炒め物や煮物に向いています。岐阜県特産の平さやのささげで、煮ると豆がほっくりし、秋になると紫のしまが鮮やかになる「あきしまささげ」は、サラダや炒め物、和え物に向いています。

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