かも(鴨肉)

かも(鴨肉)

現在流通している鴨料理のほとんどはアイガモが使用されています。鴨肉は鳥肉の中で最も美味しいと言われ、洋の東西を問わず高級食材として扱われています。野鴨の代表は、雄の頭部が緑色をしているマガモという鴨で、旬は狩猟解禁される冬場、とくに12月中旬以降の寒さが厳しくなってからが脂がのって美味しくなります。アイガモはアヒルと野生鴨の交配種でミュラール種がフォアグラ用の品種として飼育されています。鴨のフォアグラはフォアグラ・ド・カナールとよばれ、軽くあぶるソテーなどにおすすめです。フランス語で「フォア」は肝臓、「グラ」は肥大したという意味を持つフォアグラは鴨の脂肪肝です。強制的にエサを食べさせて肥大した肝臓は500g~900gで正常な肝臓の10倍にもなります。濃厚な味わいで世界中にファンが多い世界三大珍味のひとつです。

食材のトリビア情報

【かわいいアイガモ農法】
有機農法として行われるアイガモ農法は、水田にアイガモを放し飼いすることで雑草や害虫の駆除をさせます。アイガモが泳ぎ水が混ざることで、雑草の発生を少なくしたり養分の吸収もよくなるので、化学肥料や農薬を減らすことができ、安全性の高いお米になります。アジアでは古くからアヒルを水田で放し飼いにする農法が行われていました。効率的なアイガモ農法は、中国やベトナムなどにも普及しています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 12月
栄養素トピックス 鶏肉よりも脂質が多くこってりとした味わいが特徴です。この脂質には健康によい不飽和脂肪酸が含まれています。(※1)不飽和脂肪酸は植物性の脂肪に多い成分で、融点が14℃と低いので冷めた料理でも美味しく食べることができます。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂質
(※2)知っておいしい肉事典
選び方 肉色が鮮やかな赤色のものを選びましょう。また、ホールで購入するときは尻がしまっていて、ずっしりと重みを感じる鴨を選ぶとよいでしょう。
保存 他の鳥肉と同じくその日のうちに使い切ることが望ましいです。保存する場合は加熱してから冷蔵庫で保存しましょう。
調理ポイント オードブルに供される鴨のローストは、冷製鴨肉にオレンジの皮を煮詰めたビガラードソースをかけたフランス料理の定番です。鴨肉は脂肪の融点が低いので、口溶けがよく、冷製でも美味しく食べることができます。手羽元や手羽先は肉として食べるのではなく主にスープのだしとして使われます。
品種や種類 野生で寒さが厳しくなると脂がのって美味しくなる「マガモ」、アヒルと野生カモとの交配種「アイガモ」、ドイツや中国で利用されることが多い「ガチョウ」、高脂肪で肉質がやわらかい「アヒル」などがあります。普段口にする鴨料理で一般的に利用されているアイガモ肉は、アヒル肉より野性味があり、カモ肉よりもやわらかいのが特徴です。

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