卵

食用として広く流通している鳥卵は、鶏卵、うずら卵、アヒル卵があります。卵料理の記録は江戸時代に出版された「本朝食鑑」のゆで卵、卵焼き、卵酒などの料理の記載が最初であり、日本人が今日のように食べるようになったのは高度経済成長期を迎えた昭和30年代以降になります。新鮮な卵といえば、こんもり盛り上がっている卵黄が印象的です。これは鮮度がよいほど卵黄の膜が強くてハリがあるため。しかし、時間が経つと気孔を通して卵白の水分が徐々に蒸発し、卵黄の水分が卵白に移動していきます。そのため古くなった卵黄の表面が、空気の少なくなった風船のようなシワができるのです。一方でゆで卵の殻がむきにくく、デコボコになったりするのは産みたての新鮮な卵の時に起こります。

食材のトリビア情報

【うずらの卵が孵化した!?】
雌鶏だけで産んだ卵を無精卵と言います。雄鶏と一緒にいる雌鶏が産んだ卵は有精卵なので、温めるとヒナがかえります。スーパーで売られているニワトリの卵は無精卵ですが、うずらの卵は有精卵が混ざっていることがあります。それは、うずらのヒナは小さすぎて雌雄判定を間違え、一緒に飼育されることがあるからだそうです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス 卵は栄養学の観点から見ても「完全食品」と呼ばれるように人間の体に必要な栄養素をまんべんなく含んでいる優れた食品です。(※1)卵にはヒヨコを孵すまでに必要な栄養素が全て備わっています。卵内のたんぱく質を構成するアミノ酸バランスは生物の体を構成している筋肉のアミノ酸バランスにきわめて近いことがわかっています。(※2)

(※1)からだによく効く食材&食べあわせ手帖
(※2)「食の科学」と「いのちの営み」を考えるたべもの・食育図鑑
選び方 持つと重量感があり、殻表面にザラつきがあるものがよいでしょう。光にかざすと透けるように見えるものが新鮮です。新鮮な卵は割ったときに卵白も卵黄も盛り上がっています。
保存 購入してきたパックごと冷蔵庫の中に入れるか、冷蔵庫内の卵ケースに尖った方を下に向けて保存します。扉の開け閉めによる温度変化の少ないところに置きましょう。
調理ポイント 目玉焼きは火力が強すぎると焦げてしまうので、フライパンに入れたら弱火にします。茹で卵は水から茹で始め、沸騰してから10~12分茹でると作れます。15分以上茹でると卵黄の表面が暗緑色になってしまうので気をつけましょう。ふわふわのオムレツを作りたい時には混ぜすぎてコシを切らないようにしましょう。
品種や種類 一般的に売られている卵は白い殻の「卵」と殻に色のついた「有色卵」に分類されます。鶏卵業界では白い殻の卵を「白玉」と呼び、褐色の有色卵を「赤玉」、薄褐色の有色卵を「ピンク玉」と呼びます。他にも日本を原産とする野生渡り鳥の「日本うずら」や高濃度のアルカリで熟成させたピータンでもおなじみの「アヒル」の卵も食されています。

おすすめレシピ