しょうが(生姜)

しょうが(生姜)

3世紀以前に中国から伝えられて以来、人々の暮らしにとけ込んでいます。食欲をそそる香りは辛味成分と相まって、香辛料としても幅広く使われています。古来「はじかみ」とよばれていましたが、これは刺激的な辛味のあるものを指す言葉で、必ずしもしょうがだけではありませんでした。しょうがにまつわる行事は多く、関東、中部地方では八朔(8月1日)を「生姜節供」といい、群馬県前橋では、媒酌人や稽古事の師匠にもしょうがを贈る風習がありました。しょうがの収穫祝いとして、生姜市の立つ祭礼などが各地にあり、市で買ってきて魔除けにする所もありました。しょうがはすりおろして薬味にしたり、臭み消しや下味をつけるためによく利用されます。また、せん切りにして酢の物や煮物の上に天盛りにしたり、薄切りにして炒めれば、料理の風味づけにもなります。

食材のトリビア情報

【しょうがで温める】
冷えを感じる方にしょうがはおすすめです。生のしょうがに含まれているジンゲロールは血管を拡張させ血流をよくし、体を温めます。ショウガオールはジンゲロールに熱を加えたり乾燥させたりすることでできる成分です。ジンゲロールと違って、ショウガオールは胃腸を内側から刺激して血流を高めることで、体の内側から熱を作り出します。同じ温めでも温め方が変わります。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 6月~8月
栄養素トピックス 強い辛味はジンゲロンとショウガオールによるものです。体をぽかぽかにしたいときや食欲がないときにおすすめです。またジンギベレンやシトロネラールなどの香り成分も含まれ、季節を問わず、健康の維持におすすめの食材です。(※1)

(※1)からだにおいしい野菜の便利帳
選び方 皮に傷がなく、表面がなめらかでツヤとハリがあるものが良質でしょう。ふっくらと形がよく、肉厚でかたいものが良質です。切り口にカビやひからびがないものを選びましょう。
保存 新聞紙で包んで冷暗所で保存するか、ペーパータオルで包んで保存袋に入れ、保存袋の口を軽く閉めて冷蔵庫で保存します。すりおろして小分けにし、保存袋に入れ冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント よく水洗いしてから調理しましょう。しょうがの風味は、皮と果肉の間に多くあり、皮はむかなくても利用できます。皮が気になる場合は、スプーンを使ってこすると簡単にむくことができます。レバーや魚などの生臭い食材にはしょうがの絞り汁をかけると臭みが消えます。
品種や種類 一般的なしょうがはひねしょうがともよばれる「根しょうが」で辛味が強く、主に薬味に向きます。初夏に出回るみずみずしい根しょうがで、茎のつけ根が鮮やかな紅色をしている「新しょうが」は、甘酢漬けなど漬け物にむきます。谷中しょうがともよばれ、新しい根を葉つきのまま収穫する「葉しょうが」などがあります。葉しょうがは、茎をつけたまま味噌をつけて食べたり、甘酢に漬けたりします。

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