ぶり(鰤)

ぶり(鰤)

ぶりは古くから年取り魚などとして伝統行事に使われてきました。今日でも非常によく食べられており、日本人の生活に深く浸透している魚です。成長するにつれて名前が変わることから、縁起の良い出世魚とも言われています。ぶりの産卵期は南ほど早く2月から7月で、旬は冬。養殖ものは年間を通じて入荷量が多く、安定した価格を維持しています。また若魚などは非常に安くなっています。ぶりの仲間は、ぶり、かんぱち、ひらまさの3種で、ぶりが冬に旬を迎えるのに対し、かんぱちとひらまさは夏の魚です。大型のぶりは、北陸産などではときに非常に高値となります。脂がのっていると、刺身はときにくどいこともありますが、その場合はやや薄めに切り、昆布だしの中でしゃぶしゃぶにすると、さっぱりとして刺身よりも食べやすいでしょう。

食材のトリビア情報

【贈り物としての「ぶり」】
年取り魚は糸魚川静岡構造線の東西で分かれるとされ、西はぶり、東はさけ。石川県の加賀前田家では、初代前田利家の時代(1500年代末)から年取り魚としてお歳暮にぶりを贈る習慣がありました。現在でも娘が結婚すると、その年は嫁ぎ先と仲人に大きなぶりをそれぞれ一尾ずつ贈るならわしがあります。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 12月~1月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、栄養成分の約21%を占めます。約18%が脂質で、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸が含まれる点も注目すべきポイントです。また、ビタミンB1、B2を含むため、毎日の健康維持のためにもおすすめの食材です。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質、脂質、ビタミンB?、ビタミンB?
選び方 血合いが鮮やかで、身に透明感があるものが新鮮で美味しいとされています。身が黒っぽいものは鮮度が落ちているため、避ける方がよいでしょう。
保存 ペーパータオルで包んでラップをしチルド室で、もしくは、急速冷凍てラップで包み、密封して冷凍保存します。
調理ポイント 塩焼きや照り焼きにする場合、調理前に塩をふって少し時間をおくことで、臭みを抑えることができます。煮付けにする場合は、熱湯にさっとくぐらせ(霜降り)、血合い・ぬめり・余分な脂などを落とすことで、煮汁に臭いが移るのを防ぎます。また、皮が青い背側は比較的あっさりしていて、皮が白い腹側は脂がのり、こってりしているため、好みで使い分けるとよいでしょう。
品種や種類 出世魚である「ぶり」の呼び名は、関東ではワカサ、イナダ、ワラケ、関西ではツバス、ハマチ、メジロと変化して、「ぶり」になります。ぶりは大きさによって味わいが大きく異なり、美味しいのは40㎝を超えてからだと言われています。脂ののった天然ものはクセもなく、脂があるわりにあっさりしています。

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