みょうが(茗荷)

みょうが(茗荷)

本州から沖縄まで日本各地で自生している香味植物です。シャキシャキとした歯ざわりと、さわやかな香りが食欲をそそるみょうがは、料理の薬味としてよく使われます。しかし、野菜として栽培しているのは日本だけです。東アジア原産で、もともとしょうがとともに大陸から持ち込まれ、それが野生化したものが現在も自生種としてあるようです。私たちが普段食べているものは、みょうがの地下茎から出る花穂で、開花前のものです。花みょうがともよばれ、独特の香りと苦味があります。6月~8月に出る夏みょうがは少し小ぶりで、8月~10月に出る秋みょうがは大きく色も鮮やかです。また、若い茎を軟白栽培してほんの少しだけ日に当てて赤みをつけたものを「みょうがたけ」とよんでいます。東京都文京区に茗荷谷という地名がありますが、これは江戸時代までこのあたりでみょうがの栽培が盛んであったことに由来しています。

食材のトリビア情報

【みょうがを食べると忘れっぽくなると言われるけど…】
こんな逸話があります。「釈迦の弟子の1人は物忘れがひどく自分の名前も覚えられないほどでした。そこで名前を書いた札(名荷)をいつも下げていました。彼の死後、彼のお墓のまわりにはたくさんの植物が生えてきました。」この出来事からその植物はみょうが(茗荷)と名付けられたそうです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 6月~10月
栄養素トピックス 成分の95%は水分です。(※1)みょうがの香り成分はαーピネンという成分で、夏のだるさにおすすめです。(※2)眠気に負けたくない時にもおすすめの食材で、ビタミンB1との組み合わせはさらに効果的になります。旬の時期にはぜひ活用しましょう。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分
(※2)からだによく効く食材&食べあわせ手帖αーピネン
選び方 傷がなく締まっているもの、つぼみが見えていないものを選びましょう。ずんぐりとして丸みとハリがあり、中身がよくつまっているものが良質です。
保存 湿らせたペーパータオルで包んで保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。丸のまま冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント アクがあるので、切ったら水にさらしましょう。長時間さらすと香りが逃げてしまうので注意が必要です。薬味、汁の実、酢の物、酢漬け、刺身のつま、天ぷらなどに使います。汁物に入れる場合も香りが逃げないように最後に加えましょう。
品種や種類 一般的に出回っているみょうがは「花みょうが」で、酢の物や和え物、薬味に向いています。6月~8月にでる少し小ぶりのものを「夏みょうが」、8月~10月に出る大きく色も鮮やかなものを「秋みょうが」と言います。もみ殻に埋めるなど軟白栽培したみょうがの若い葉茎を食す「みょうがたけ」は、酢の物や和え物、炒め物、揚げ物に向いています。みょうがたけは太すぎると筋っぽくなります。

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