あさり(浅蜊)

あさり(浅蜊)

あさりとは、浅い場所にいるため「浅貝」の意があり、「あ」は浅い「さり」は砂利で砂地にいることから、この名がついたと考えられています。また、海辺で手軽に獲れるので、「漁る」から「アサリ」に転訛したとも言われています。日本人の食卓にもっともなじみ深い貝ともいえるあさりですが、国内の浅瀬、干潟の減少で激減しました。88年頃まではほとんど国産ものでまかなっていましたが、徐々に輸入ものが増え、現在では中国・韓国からの輸入ものが国産を上回っています。旬は春ですが、通年出回っています。生鮮品の他、冷凍流通にも殻つき、むき身ともにあり、冷凍ものは高価です。味は産地によって大差なく、値段は味や産地ではなく、大きさによって決まっています。

食材のトリビア情報

【身近な貝だが味は王様級!?】
あさりは、ハマグリ等などと比べると見た目は劣るが、味わいでは貝の王様と言われるほど。あさりは干物も大変美味しいです。千葉の木更津、船橋など内房でつくられるあさりの干物は、軽くあぶって食べます。木更津では「串あさり」「あさりの干物」「目刺し」と呼ばれ、親しまれています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 3月~5月、9月~10月
栄養素トピックス 特に鉄が多く、ビタミンB12も含まれています(※1)。鉄やビタミンB12は、健康的な生活を送りたい女性が特に積極的にとりたい栄養素です。あさりなどの動物性食品に含まれる鉄は、吸収されやすいヘム鉄です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)鉄、ビタミンB??平均比較
選び方 重みがあり模様がはっきりしているものは良質、殻がふっくらしているものは身も太っていて美味しいといわれています。また、触れるとすぐに口を閉じるものは新鮮です。
保存 砂抜きした後、塩水につけた状態でラップをし、冷蔵庫で保存します。または、洗って水気を切り、保存袋に移して冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント 砂抜きは、容器に広げて入れ、海水と同じ2~3%濃度の塩水にひたし、冷暗所に一晩おきましょう。ただし、最近では砂抜きされているものも出回っています。あさりはうまみが溶け出るため、味噌汁やスープ、酒蒸しなど煮汁ごととれる調理法がおすすめです。
品種や種類 千葉県木更津産のあさりは、色が多彩で鮮やか、なかでも青色に特徴がありますが、北海道産のものは貝殻が厚く白やベージュがかった灰色をしています。味は、産地や貝の大きさによって大差なく、一年中で一番おいしいあさりが食べられるのは、水温が上昇してくる「春」だと言われています。

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