だいこん(大根)

だいこん(大根)

原産地は、中央アジア、地中海沿岸など諸説ありますがはっきりしていません。いずれにしても最古の野菜のひとつで、古代エジプトの時代には栽培されていたと言われています。流通しているものの種類としては大きく分けてヨーロッパ大根、中国大根、日本大根の3つがあります。日本には中国から伝わり、各地に広まってさまざまな品種が生まれました。今では冬野菜の代表ともいえます。「古事記」や「日本書紀」にも記載があり、昔から栽培されて日本人の食生活に欠かせない野菜です。戦前の「大根飯」で知られるように、かつては米を補う役目もありました。大根には、でんぷんの消化酵素であるジアスターゼが含まれています。(※1)日本の食卓によく見る「ご飯にたくあん」やお正月の「おもちに大根おろし」という組み合わせは理にかなったものです。昔の人は胃がムカムカしたときに大根おろしを活用したそうです。

(※1)からだにおいしい野菜の便利帳

食材のトリビア情報

【日本には世界一の大根がある】
ヨーロッパの大根はラディッシュのような小さいものだけです。日本に伝来して多様になり、20数年前までは200種を超える品種が各地で栽培されていました。日本には世界一重い「桜島大根」や世界一長い「守口大根」があります。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 7月~8月、11月~3月
栄養素トピックス 葉の部分にはカリウムやカルシウムが含まれています。特にβーカロテンやビタミンK、葉酸、ビタミンCが多く含まれています。(※1)根の部分には消化酵素のジアスターゼが含まれています。(※2)大根を購入する際はぜひ葉付きのものを選びましょう。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)カリウム、カルシウム、βーカロテン、ビタミンK、葉酸、ビタミンC
(※2)からだにおいしい野菜の便利帳
選び方 葉の色が鮮やかな緑で、みずみずしいものが良質です。ひげ根は少なく、ハリとツヤがあり、ずっしり重みのあるものを選びましょう。
保存 葉から水分が蒸発するので、葉付きだいこんの場合は葉と根をすぐに切り分け別々に保存しましょう。丸のまま新聞紙で包んで、冷暗所に保存します。切ったものはラップで包んで、冷蔵庫で保存しましょう。切り落とした葉は保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
調理ポイント 葉は、漬け物や煮浸し、菜めしに向きます。根の上部は辛みが弱く生食向きです。中間部は甘味があり、肉質が均等なので煮物に向きます。下部は辛味が強く筋っぽいので漬け物や辛み大根おろしに向きます。また、根は秋~冬のほうが甘味があります。
外側は筋が多いので煮物にする場合は皮を厚めにむきましょう。また、輪切りにした大根に十文字の切込みを入れて煮ると、火の通りが早くなり、味が染み込みやすくなります。
品種や種類 一般的な「青首大根」の他にも、皮は赤いが中は白い「赤大根」や、辛味が強くおろしたものを薬味として使う小型の「辛味大根」などがあります。中国系の大根で皮は緑で中がピンク色をし、甘味が強い「紅芯大根」は、サラダなど生食に向いています。京都特産の球形で2㎏ほどある「聖護院大根」は、甘味があり煮物に向いています。江戸伝統野菜のひとつ「亀戸大根」は、葉ごと漬け物に向いています。

おすすめレシピ