こんぶ(昆布)

こんぶ(昆布)

こんぶは奈良時代から「続日本紀」などの文献に登場します。古くは「広布」、これを音読みして「こんぶ」になったと言われています。夏から秋に収穫され、乾燥させてから出荷されます。数年寝かせた方が味が良いとされており、旬は周年。ただし、三陸、東京湾をはじめ、生で出荷するところもあります。神奈川県横須賀の東京湾で営まれているまこんぶの養殖は、食用のほか水質改善にも貢献しています。こんぶはうまみ成分が多く、だしに使われることが多いですが、多種類の栄養素を含むため、こんぶ自体も食べるとよいでしょう。だしを取ったこんぶを千切りにして、酢、しょうゆ、みりん、酒と煮て佃煮にしたり、素揚げとして塩を振って食べるのもおすすめです。

食材のトリビア情報

【海の中でだしが出ないのはなぜ?】
昆布のだしの主成分はグルタミン酸。昆布が海中で生きているときは、グルタミン酸は細胞膜に守られているため、細胞から外には出ません。しかし、海からあげて天日干しにされると昆布の細胞膜が壊れてしまうので、水に浸すと「だし」が出るのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 7月~9月
栄養素トピックス こんぶに豊富に含まれる食物繊維は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ第六の栄養素とも言われ、毎日の健康維持のために必要です。(※1)特に女性にはおすすめの栄養素です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)食物繊維
選び方 良く乾燥していて、濃い緑褐色で、ツヤのあるものが良質です。また、分厚く、全体に白い粉がついているものが美味しいとされています。
保存 使いやすい長さに切り、密閉容器に入れ、湿気が少なく乾燥したところに保存します。冷蔵庫であれば長期保存が可能です。
調理ポイント 表面の白い粉はマンニットといい、旨みのもと。洗い流さず、汚れはふき取る程度にしましょう。だし用に使ったこんぶは、使いやすい大きさに切ってラップで包んで冷凍し、つくだ煮やみそ漬け、煮物に使うとよいでしょう。
品種や種類 まこんぶ、りしりこんぶ、ながこんぶ等の種類があります。最も高級なのがりしりこんぶで、澄んでいて強い旨みと甘みのあるだしがとれるという特徴があります。まこんぶも高級こんぶのひとつ。ながこんぶは、炒めたり、煮たり、だしをとったりと広く活用され、こんぶ自体を食べる料理にも利用されています。

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