ゆりね(百合根)

ゆりね(百合根)

ゆりねとして球根(鱗茎)が食用されているゆりは、どの種類も球根が大型のものになります。かつては野生のものが流通していましたが、現在ではほとんど栽培品になっています。ゆりねと言われていますが、根ではなく葉の変形したものです。この鱗茎がたくさん重なった形から「百合」という漢字が当てられたと言われています。ゆりねの栽培はとても長期間のもので、畑に植え付けるまでに3年、そこからさらに3年の栽培期間を必要とします。収穫してからも寝かせたほうが甘味が増し美味しくなります。加熱をするとほくほくして、ほんのりとした甘味と苦味があります。含め煮、茶碗蒸しの具、きんとん、和え物、かき揚げなどに利用され、関西地方での消費が多く、京料理に欠かせない食材です。

食材のトリビア情報

【ゆりを食べられるのは球根だけではなかった】
大きな花を開くゆりの花。その球根がゆりねですが、ゆりは球根以外にも、実は花も食べられる種類があるのです!正確にはユリ科のホンカンゾウという花のつぼみで、金針菜(きんしんさい)といいます。ユリ科なので花の形はゆりに似ています。炒め物やスープにして食べられています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 11月~2月
栄養素トピックス カリウムや葉酸が含まれています。ゆりね100g中カリウムは740㎎含まれていますが、これはほうれん草100g中の含有量690㎎よりも多いです。(※1)汗をかいた時や塩分の多い食事をとったときにおすすめの食材です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)カリウム、葉酸
選び方 紫がかった部分は苦味があるので、白いものを選びましょう。表面がパリッと乾燥していてハリがあり、かたくよく締まっているものが良質でしょう。
保存 新聞紙で包み冷暗所で保存します。湿らせたおがくずの中に入れて冷暗所で保存するとより長持ちします。水気がついていると傷みやすいのでペーパータオルでよく拭き取りましょう。
調理ポイント 根元のかたい部分を取り除き、鱗片を1枚ずつはがして茹でます。白く仕上げるためには酢を少量入れて茹でるとよいです。強火にすると煮崩れるので注意しましょう。形を活かして鱗片をはがさず調理することもあります。アルミホイルに包んで焼いたり、丸ごと揚げるとじゃがいものようなホウホクした食感になります。揚げる場合は素揚げでも、衣をつけて揚げてもどちらでも大丈夫です。
品種や種類 ゆりねとして出回っているものは苦味の少ない「小鬼ゆり」が主体です。他に「鬼ゆり」や「山ゆり」などが利用されています。小鬼ゆりの中でも、小鬼ゆりを交配親とした北海道で栽培されてる「白銀」という品種が一般的です。いずれも茶碗蒸し、煮物、蒸し物、揚げ物などに向きます。

おすすめレシピ