まつたけ

まつたけ

「秋の味覚の王様」と言われるまつたけ。その芳醇な香りと歯ごたえは日本で古くから愛されており、平安貴族の間ではまつたけ狩りが秋の風物詩となっていたと言われています。日本人にとって身近な食材でしたが、ここ数十年で流通量は激減。これは松茸が育つ環境の変化に原因があります。松茸は里山の赤松などの根元に生えますが、昔は松の枝は燃料に、落ち葉は肥料にそれぞれ利用していたため、山には適度に人の手が入り、松茸にとっての生育環境が整っていました。しかし、燃料・肥料が時代とともに変化し、近年、山は放置されて荒れるようになり、松茸が育つ土壌ではなくなってしまったのです。人工栽培が難しいことから国内産のものは価格が高く、貴重な食材となりました。国内産松茸の不足を補うために、中国や韓国、アメリカなどからの輸入品が多く出回っています。まつたけは香りが命なので、なるべくその日のうちに調理しましょう。

食材のトリビア情報

【好んで食べるのは日本人だけ!?】
まつたけといえば、日本ではきのこの最高峰。「香りまつたけ、味しめじ」といわれるほど、とくに芳醇な香りが人気のまつたけですが、好んで食べるのは日本人ぐらいだとか。海外ではこの香りを臭いと感じる人が多いようです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 10月~11月
栄養素トピックス 食物繊維を含むため、毎日の健康維持のためにおすすめの食材です。また、ナイアシンを豊富に含んでいます。(※1)まつたけの香りは「マツタケオール」という成分によるもので、食欲が湧かない時に嗅ぐとよいとされています。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)食物繊維、ナイアシン
選び方 カサがあまり開いていないものが美味しいとされています。軸が太くて弾力があり、カサの裏のヒダが汚れていないものを選びましょう。
保存 香りと風味が落ちないうちにすぐ調理しましょう。保存する場合は、水けがあればふき取りラップで包み、野菜室で保存します。
調理ポイント 水でぬらすと香りが飛んでしまうため、汚れは乾いた布巾でふき取る程度にしましょう。
カットする場合は、包丁で切るよりも手でさいたほうが香り豊かに仕上がります。香りの良い国内産のまつたけが手に入った場合は、焼きまつたけや、まつたけご飯がおすすめです。
品種や種類 芳醇な香りと歯切れのよさが魅力の国内産まつたけ以外に、中国産・韓国産まつたけも流通しています。国内産に比べると香りは控えめで食感も少しやわらかいですが、手ごろな価格が魅力です。アメリカやカナダ産のまつたけは、全体が白っぽいのが特徴。香りが強くカサが大きめなので、天ぷらやパスタなどにおすすめです。

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