たら(鱈)

たら(鱈)

鍋物の定番ともいえるたらは、フランス、イギリス、スペイン、ポルトガルなどヨーロッパをはじめ世界中で好まれ、たくさん食べられている魚です。たら科の魚は世界で約30種類。日本近海で見られるおもなたらは、まだら、すけとうだら、こまいの3種類。一般にたらという場合は「まだら」を指します。北海道を中心に、底引き網や刺し網で漁獲されるたらは、寒くなると入荷量が増え、極寒の時期に脂がのって白子が太ります。たらは白子が価格を決めるので、オスのほうが断然値がはります。白子は、国産は生で、輸入ものなら鍋にするとよいでしょう。たらは、「雪」がふる季節にとれることから、「鱈」という漢字があてられました。身が雪のように白いため、腹側が真っ白であるためとも言われています。

食材のトリビア情報

【たらで戦争…!?】
ヨーロッパや北米では、たらの仲間は古くから大切な水産資源です。鮮魚としてはもちろん、塩漬け、干物、燻製などにして食べられ、卵巣も利用されています。欧米では「海の牛肉」とも言われるタイセイヨウマダラの漁場をめぐって、1973年にイギリスとアイスランドの間で「たら戦争」が起こったほどです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 12月~2月
栄養素トピックス 脂質の含有量が1%以下と非常に少なく、クセのない淡白な白身魚ですので、離乳食や高齢者の食事にもよく使われています。(※1)脂肪分が少ないため、体重コントロールに気を遣っている方にもおすすめです。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂質
選び方 身がふっくらとしているものが美味しいとされています。皮目に光沢があるもの、身が淡いピンクで透明感があるものが新鮮です。
保存 塩をふって水分を抜き、ペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存します。鮮度が落ちやすいため、すぐ使うようにしましょう。
調理ポイント たらの身はとても火が通りやすく、くずれやすいのが特徴です。鍋物にするときは、いただく直前にサッと加熱する程度がよいでしょう。味噌汁やホイル焼き、ムニエルにもよく合います。傷みやすいため、生食には不向きです。
品種や種類 一般に「たら」という場合は「まだら」を指します。鮮度が落ちやすいため、塩漬け加工された「塩たら」も多く出回っており、鍋物にはそのまま使用できます。「たら」の仲間である「すけとうだら」は、ちくわやかまぼこなどの練製品に多く使われます。まだら同様、鍋物や煮つけ、味噌汁、焼き物、揚げ物など、しっかりと加熱する料理に向いています。新鮮な場合でも寄生虫を持つことが多いため加熱して食べるのがおすすめです。

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