なし(梨)

なし(梨)

果物を「水菓子」とも呼びますが、これは90%近くが水分で甘みのあるなしにふさわしい呼び名です。(※1)なしの特徴といえば、ざらざらとした独特の食感ですが、これは「石細胞」という果肉の細胞壁によるもので、その細胞内に食物繊維が含まれています。種のまわりとおしりの部分がいちばん甘いので、縦割りにすると均一な甘さで食べられます。また、たんぱく質分解酵素を含むため、肉との相性がよく焼き肉のつけダレにすりおろしを入れたり、ユッケにしぼり汁やみじん切りを和えたりするなど、特に韓国料理では甘みと風味を最大限活かして利用されています。なしは「無し」に通じるので、「有りの実」と呼ぶこともあります。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分

食材のトリビア情報

【なしの語源】
なしの語源には諸説があり、中心部ほど酸味が強いことから「中酸(なす)」が転じたもの、果肉が白いことから「中白(なかしろ)」あるいは「色なし」、風があると実らないため「風なし」、漢語の「梨子(らいし)」の転じたものなどと言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 9月~10月
栄養素トピックス 水分が90%近くを占めます。栄養成分で特に多いのは、ぶどう糖や果糖などの炭水化物です。(※1)「朝の果物は金」という言葉があるように、朝に食べると効率のよいエネルギー源となります。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分、ぶどう糖、果糖
選び方 皮にざらつきがなくなり、なめらかになったら食べ頃です。やや青みが残っているくらいがよいでしょう。また、横に長いものが甘いと言われています。
保存 保存袋に入れて、冷暗所で保存します。長く保存したい場合は野菜室に入れ、追熟させる場合は常温で保存します。
調理ポイント さっぱりとした甘みのなしは、料理の邪魔をしないので幅広く活用できます。鶏肉のおろし煮にしたり、しょうゆで味をつけて酢の物と和えるのもおすすめです。また、食べる1~2時間くらい前に冷蔵庫に入れ、冷やして食べると美味しく食べることができます。
品種や種類 日本では、なしといえば「日本なし」を指し、皮が黄緑色のものを青なし、褐色のものを赤なしと言います。果汁が多く酸味と甘みのバランスがよい鳥取ブランドの青なし「二十世紀」、赤なしの代表種であり強い甘みを持つ「幸水」、甘みが強く適度な酸味もある「豊水」など様々な品種があります。

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