あずき(小豆)

あずき(小豆)

あんこの原料として古くから日本人の生活にとけ込んできた「あずき」。日本における文献上の最古の記録は、8世紀に成立した「古事記」ですが、既に3世紀ごろには中国から朝鮮半島を経由して伝わったものと考えられています。中国や韓国と同様、わが国でもあずきの赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられ、厄除けやお祝いごとの年中行事に用いられてきました。国内でのあずきの用途のほとんどは、和菓子のあんや甘納豆。あんはデンプン含有量の多い豆(あずき、いんげんまめなど)から作られますが、中でもあずきのあんは、他の豆類のあんに比べて風味がよいのが特徴です。あん以外には、おしるこや赤飯に使うほか、煮物にも利用されます。

食材のトリビア情報

【小倉あんとは?】
小豆を使って作られる餡(あん)には、つぶあん、こしあん、小倉あんなどの種類があります。小倉あんは、大納言と呼ばれる大粒の小豆を煮てから蜜に漬けたものを混ぜて作ったもののことです。また、小倉あんの”小倉”は、京都の北西部にある小倉山が由来だとされています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 9月~11月
栄養素トピックス 炭水化物が全体の50%以上を、たんぱく質が約20%を占めます。健康的な生活を送りたい女性が特に積極的にとりたい栄養素である鉄や食物繊維も豊富に含まれています。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物、たんぱく質、鉄、食物繊維
選び方 粒の大きさがそろっているもの、虫食いや傷がないものを選びましょう。しわがなく、ハリ、ツヤのあるものが美味しいとされています。
保存 乾燥品は虫や湿気に弱いため、密閉容器に入れて冷暗所で保存します。茹でたものは、冷凍すれば一か月は保存が可能です。
調理ポイント 吸水性の高いあずきは、水に浸してもどすと皮が裂けてしまうため、水洗いをしたら、漬けおきせずにひたひたの水加減で煮るようにします。お湯は必ず1~3回茹でこぼして、渋切りをしましょう。
赤飯に使う場合はあずきの3倍量の水で煮て茹でこぼし、新たに4~5倍量の水を入れ火にかけ、赤い色が出てきたら茹で汁をボールにとります。手早くおたまですくって空気に触れさせ色を出します。
甘味などに使う場合は、あずきの3倍量の水で煮て茹でこぼし、新たに4~5倍量の水を加え沸騰後、沸騰が続く程度の弱火で「差し水」をしながら豆の芯がやわらかくなるまで茹でます。そこにあずきと同量の砂糖と塩少々を入れて調味をします。
品種や種類 小豆は、赤飯や煮物のほか、おしるこやぜんざい、羊羹やアイスキャンデーなど、甘味の材料としても利用されます。
寒さに強く品質のよいあずきの代表品種「エリモショウズ」は、主に餡に利用されます。新しい品種である「きたろまん」は、色がきれいで香りがよくふっくらとしていることから、アイスバーの材料としても活用されています。

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