とうがらし

とうがらし

中南米で栽培されていたとうがらしは、コロンブスがスペインに持ち帰ったことから世界中に広まり、日本には16世紀にポルトガル人によってもたらされました。種類も様々あり、「鷹の爪」は香辛料としてもよく使われる赤とうがらしです。天ぷらや炒め物でも使われる「ししとうがらし」はピーマンと同じとうがらしの甘味種で、品種改良により、さらに甘味種のものが増えました。京都特産の「万願寺とうがらし」も辛味はなく大型で食べ応えがあります。これらは青とうがらしになります。赤と青の違いは熟成されているかどうかで、青色の未熟なとうがらしが熟成されると赤とうがらしになります。とうがらしは食べるだけでなく昔から様々な利用法がありました。洗面器にお湯を張り、ちぎったとうがらしを入れ足湯にしたり、ガーゼにくるんだとうがらしを靴やスリッパの中に入れておくと足先がぽかぽかします。また米びつに入れておくと虫よけにもなります。

食材のトリビア情報

【とうがらしが辛いのは鳥のため?】
あらゆるスパイスの中でもっとも世界中で消費されているとうがらし。このとうがらし、なぜ辛いのでしょうか?それは鳥類に食べてもらって、種子を遠くに運んでもらうためだとも言われています。鳥類は辛さに鈍いため、他の動物に比べてとうがらしをよく食べるそうです。他の動物(哺乳類)は葉で種を噛み砕いてしまい、かつ、消化してしまいます。鳥類は歯がないので種がほぼキレイな状態で運んでもらうことができるそうです。なので、鳥類以外に食べられないように辛くなったという説もあるそうです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 7月~9月(青とうがらし)、8月~10月(赤とうがらし)
栄養素トピックス とうがらしの辛味成分はカプサイシンです。カプサイシンは体が冷えている時や、元気がほしいときにぜひ取り入れたい成分です。(※1)カルシウム、ビタミンKや葉酸などが多く含まれていますが、1度に多くを摂取できるものではないのでこまめに摂取するようにしましょう。(※2)

(※1)からだにおいしい野菜の便利帳
(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)カルシウム、ビタミンK、葉酸
選び方 色が鮮やかでツヤのあるものが良質です。皮が浮かずに、ハリのあるものを選びましょう。赤とうがらしは完熟したものほど辛味も増しています。
保存 保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。また風通しのよいところに吊るして乾燥させ、密閉容器に入れても保存できます。
調理ポイント 果肉が厚く、乾燥させるのが難しいとうがらしはオイル漬けにし、炒め物や麺類、ドレッシングの風味づけになど幅広く使えます。
赤とうがらしは加熱すると辛さが増すので、熱したオイルで加熱しパスタや炒め物などの辛味や香りづけに利用します。
青とうがらしは加熱すると辛さが和らぎ、ほんのりと甘味を感じるようになります。
品種や種類 「赤とうがらし」の一般的なものは「鷹の爪」のことです。「青とうがらし」は赤とうがらしが完熟したもので、種を取り除いてつぶし柚子胡椒が作られます。
メキシコ原産のもっとも辛いといわれる「ハバネロ」は、主にチリソースの材料に、タイ原産で小さいが辛さの強い「プリッキーヌ」はトムヤムクンに、メキシコ原産で肉厚・フルーティーな「ハラペーニョ」は緑色のタバスコの原料に利用されます。また、キムチやチゲに使われる「韓国とうがらし」は、辛味が強くコチュジャンなどにも利用されます。

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