ごま(胡麻)

ごま(胡麻)

ごまは約200万年前に、アフリカのサバンナに住んでいた人類の祖先によって選び出されたとか。大豆や菜種よりはるかに古いこの油脂植物は、またたく間に世界中に広がっていきました。ごまのように香ばしい香りやうま味のある植物はほかにはなく、栽培も簡単で運搬もしやすかったのがその理由だと言われています。日本では縄文時代から食べられていましたが、室町時代に中国からすり鉢とすりこ木が伝わると、お寺の精進料理の素材として重宝され、ごまの食べ方のバリエーションが広がりました。すり鉢ですり和え衣にしたり、ごま豆腐にしたり、ごま油をつかって揚げたり炒めたり、新しい調理法も次々に生まれ、日本料理の基礎的な材料となり現在に至っています。近年では、ごま特有の成分であり抗酸化作用をもつセサミンやセサミノールを含むことでも注目されています。

食材のトリビア情報

【開けゴマ!の言葉の由来】
ごまは種をまいてから30日程度で花が咲き、「さく果」という実をつけます。さく果の内部は4~8室に分かれていて、1室に9~20粒の種が入っています。熟すとさく果が裂け、中から種(ごま)が飛び出し遠くまで分布する様子から「開けゴマ!」という言葉が生まれたと言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス 脂質が全体の50%以上を占め、鉄、亜鉛、食物繊維を豊富に含みます。(※1)ごま特有の成分であるセサミンやセサミノールを含む点も、注目すべきポイントです。また、黒ごまの色はアントシアニンという青紫色の色素によるものです。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂質、鉄、亜鉛、食物繊維
選び方 粒がふっくらして大きさがそろっているもの、よく乾燥しているものが良質です。色が濃く、ツヤのあるものが美味しいとされています。
保存 湿気や温度変化を嫌うため、密閉容器に入れて風通しのよい冷暗所で保存します。冷蔵庫での保存も可能です。
調理ポイント ごまの栄養成分を効率よく摂取するには、消化されにくい種皮を取り除くのがポイント。炒ったり、すりごま、ねりごまにして、ごまの風味と栄養素を摂りやすいようにしてから食べます。和え物や揚げ物、ドレッシング、スイーツなど、幅広い料理に使用できます。
品種や種類 白ごま、黒ごま、金ごまの違いは、種皮の色の違いによるものです。はじめはどれも白色で、熟すと種皮の色が変わります。白ごまは、ほのかな甘みがあり控えめな味なので、幅広い料理に合います。黒ごまは香りが強くコクがあるので、香りの強い野菜のごま和えに。金ごまは香りがよく濃厚な味わいが特徴で、煮物やきんぴらに最適です。

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