わかめ(若布)

わかめ(若布)

古くから食用にされ、平安時代編纂の「延喜式」にも登場します。全国各地で獲れてさまざまに加工され、いまや日常生活に欠かせないものとなっています。市販されているわかめはほとんどが塩蔵わかめで、水につけて戻して使う乾燥品は、カットわかめが主流です。水温が下がる秋から成長しはじめ、冬になると若いものが収穫されますが、この冬のわかめが一番味が良いと言われています。冬から春に出回る新わかめは、かつおだしにサッとくぐらせて食べたり、好みの柔らかさに煮て、ポン酢かしょうゆ、あるいはかんきつ類を絞って食べるのがおすすめ。味噌汁以外にも様々な料理に活用したい食材です。

食材のトリビア情報

【わかめの色の不思議】
わかめやこんぶ、ひじきなど茶色のものを「褐藻類」、あおさやあおのりなど緑色のものを「緑藻類」と呼び、「褐藻類」はやや深い海に、「緑藻類」は浅い海に住んでいます。わかめに湯をかけると緑色になるのは、茶色の色素が分解されて、緑の色素が現れるからなのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 3月~5月
栄養素トピックス わかめに含まれる食物繊維は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ第六の栄養素ともいわれ、毎日の健康維持のためには欠かせない栄養素です。(※1)特に女性にはおすすめの栄養素です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)食物繊維
選び方 色が濃いもの、肉厚で弾力やツヤがあるものが美味しいとされています。乾燥わかめは、大きさが揃い、ツヤがあると良質です。
保存 乾燥ものは密閉して冷暗所にて保存します。水で戻したものがあまったら、カットして密閉容器に入れ、冷凍庫で保存しましょう。
調理ポイント 塩蔵品は塩をよく洗い流し、乾燥品は水で戻して熱湯をかけると、歯ざわりがよくなります。冬から春にかけて出回る新わかめは、かつおだしの中でしゃぶしゃぶしながら食べるのがおすすめです。わかめの茎の下の部分「めかぶ」は、刻んだものを湯通しして食べるとよいでしょう。
品種や種類 日本近海で採れるワカメは植物学的には1種ですが、主に北海道や東北に成育する南部わかめ(三陸わかめ)、鳴門海峡特産の鳴門わかめ、山陰など日本海に成育するわかめの3種に分けることができます。一般的に、外洋や沖合いなど波浪や潮流が激しいところで育ったわかめは、茎が長く、葉も肉厚で、切り込みも大きくなると言われています。

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