料理の基本 スキル編
より美しく、切り口が綺麗になるように、食材が傷まないように、食感が良くなるように、火の通りが均等になるように。。。料理を美味しく仕上げるためには、研いだ切れ味の鋭い包丁を正しく扱うことや、食材の切り方、食材の下準備を丁寧に行い、適した調理を施すことが大事です。それぞれ食材ごとの技法を、プロであるシェフに、特別に教えていただきました。
肉の下準備
繊維をほぐし、不要な脂や筋を取り除くことで、やわらかく口当たりが良くなります。
豚ロース肉 筋切り
加熱すると肉が反り返ってしまうのは、赤身と脂身で、加熱による繊維の縮み方が異なるため。丸まることなく均一に火が通り、きれいな仕上がりにするため、赤身と脂身の境界にあるかたい筋に、均等に端から端まで、切り目を入れましょう。また、赤身の繊維にも適度な切り目を入れます。
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脂身側を手前に置き、包丁の平でトントンと軽く叩いて、肉全体をほぐす。
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赤身から脂身の方向で、包丁の切っ先で境界に切り目を入れる。2cm程の等間隔に端から端まで。両面行う。
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赤身の繊維を、包丁の切っ先で刺して切り目を入れる。均等に適度な間隔で、切りすぎない程度に。
監修:岩元学シェフ
豚ロース肉 筋切りの実践レシピ
豚ロース肉 叩いて薄くのばす
肉をやわらかく口当たりをよくするには、筋切りをした後に包丁の背で全体を叩き、肉の繊維をほぐすのが効果的です。全体が均一の厚さになるようにたたき薄く広がってのびた肉は、寄せて成型し、元の大きさに戻してから調理しましょう。
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赤身から脂身の方向で、包丁の切っ先で境界に切り目を入れる。2cm程の等間隔に端から端まで。両面行う。
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赤身の繊維を、包丁の切っ先で刺して切り目を入れる。均等に適度な間隔で、切りすぎない程度に。
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肉にラップをかけ、包丁の平(または小鍋の底など)で叩いてのばす。薄くのびた肉は、両手で寄せて成型し、元の大きさに戻す。
監修:岩元学シェフ
豚ロース肉 叩いて薄くのばすの実践レシピ
鶏もも肉 筋を取り、余分な脂を取り除く
脂ののった鶏もも肉を美味しく調理するために、独特の臭みをもつ黄色い脂肪のかたまり、はみ出した無駄な脂部分、軟骨や筋を取り除きます。さらに鶏もも肉の赤身のかたい筋を切断しておくと、仕上がりが柔らかくなります。
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表面を触り、かたい軟骨があれば包丁の刃先で切り落とす。臭みとなる黄色い脂肪も取り除く。
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筋が気になる場合のみ、包丁の切っ先で筋の根元を押さえながら、もう片方の手で筋を引き抜く。
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赤身からはみだしている余分な皮を切り取る。
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赤身に1~2cm幅で浅い切り目を入れていく。ひと口大で使う場合もこうしてから切り分けるとよい。
監修:岩元学シェフ
輪鶏もも肉 筋を取り、余分な脂を取り除くの実践レシピ
鶏むね肉 観音開き・そぎ切り
鶏むね肉は厚みがあるので、調理する前に厚みを半分にして平らにすると、早く火が入る分、肉の水分を余分に放出せずに調理ができます。
また、鶏むね肉は”そぎ切り”が鉄則。包丁を斜めにすべらせ、断面を大きく、繊維を断ち切るように切ると、パサパサ感が感じにくく、味もからみやすくなります。
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皮目を下にし、くぼみにある筋を、包丁の切っ先で取り出す。
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片方の手で筋をつかみ、赤身の左右に切り目を入れながら、筋を切り取る。
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厚みのある赤身に手をあてて押さえ、包丁を寝かせ、肉の厚みが半分になるように切り込みを入れ、開く。
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【そぎ切り】皮目を上にし、片方の手で押さえながら包丁を斜めに寝かせ、断面が広くなるように切る。
監修:岩元学シェフ
鶏むね肉 観音開き・そぎ切りの実践レシピ
鶏ささみ肉 筋をとる
ささみ肉の筋は、食べたときにかたくて噛み切れません。調理前に取り除くと、口当たりが良く肉も縮まずに調理できます。
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くぼみにある筋の両側に、包丁の切っ先で筋に沿うように少し切り込みを入れる。
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筋の先端部分(1cm位)に包丁で切り目をいれ、筋の先を指でつまみやすくする。
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肉を裏返し、筋を指で押さえる。包丁の切っ先を筋の上に置き、ささみの身の方向へ滑らせるように動かし、筋を抜く。
監修:岩元学シェフ
鶏ささみ肉 筋をとるの実践レシピ