シェフごはんコラム

南仏スタイルで楽しむ♪「基本のニース料理」

朝晩すっかり涼しくなり、これから続々と登場する秋の味覚が楽しみな今日この頃。地産地消が期待される今だからこそ、積極的に地元の食材を使いたいですね。とはいえ、いつもの煮物、サラダ、炒め物・・・では代わり映えがしない。なんてお悩みの方に、今回はフランスの南仏にスポットをあて、ニース料理をご紹介します!

そう、南仏コート・ダジュールの中心、風光明媚なリゾート地として有名な、多くのセレブリティが集う美食の街。「ニースという郷土で伝承される料理のすばらしさをお伝えしたい」と語る、フレンチレストランKEISUKE MATSUSHIMA」 長屋 英章シェフに、地元でポピュラーなニース料理を教えていただきました。

ファルシ ~Legumes Farcis~(野菜の詰め物)

ファルシ ~Legumes Farcis~(野菜の詰め物)

ニースの代表的な家庭料理。「ファルシ」とは「詰める」という意味で、肉や魚、野菜などの中に別の食材を詰めた料理のこと。日本でも「肉詰め」などがポピュラーですよね。今回は、なす、ズッキーニ、パプリカ、マッシュルームなど適度な丸みをもった野菜をくりぬいて肉を詰めます。大切なのは、アロゼという調理法。熱い煮汁を詰め、全体にかけながら焼くことで、肉のジューシーさを保ち野菜の甘味を引き出すことができます。肉の色が変わったらオーブンで中まで火を入れ、仕上げにトースターで焼き目をつけて、あつあつを召し上がれ!

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ソッカ ~Socca~ (ひよこ豆のクレープ)

ソッカ ~Socca~ (ひよこ豆のクレープ)

マルシェ(市場)などで売られているニースの伝統的ローカルフードのひとつ。クレープと言っても甘〜いクレープとは違って、ひよこ豆を使ったヘルシーなもの。ひよこ豆は南仏でもポピュラーな食材で、植物性たんぱく質、ビタミン、カルシウム、イソフラボンなどなど健康にいいとされる栄養素を摂るにはぴったりな食材!レシピはいたってシンプルなので、チーズやツナ、旬の食材をトッピングにして思い思いに楽しみましょう。これからの季節なら鯛や秋刀魚のマリネと合わせても◎。外はサクサク、噛むほどに豆のやさしい甘みが口に広がる感覚は、一度味わうとやみつきに!

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パニス ~Panisse~(ひよこ豆のフライ)

パニス ~Panisse~(ひよこ豆のフライ)

こちらもひよこ豆の粉をつかったフライ。ソッカと同じく南仏名物のひとつです。冷凍保存ができるので、ひよこ豆の粉をまとめ買いしたときに作りおきしたり、ソッカと作り比べをしても楽しいですね。ポイントは、火にかけたら、生地に粘度がでるまでひたすらかき混ぜ続けること。ドロンとしたら、冷蔵庫でしっかりと固めます。そのままでももちろん、シチューや牛肉の煮込みなどの付け合わせにしてもGOOD。フライドポテトよりもヘルシーでほくほく♪ワインのお供に、そしてお子さんのおやつにもピッタリですね。

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いつものメニューに加えたり、付け合わせとして加えるだけで、いつもとはひと味違う食卓を演出できる今回の3品。自宅にいながらリゾートで過ごすように食器やテーブルコーディネートも意識してみると、いつもの涼しい風も、ニースの風に感じられるはず!

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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