麦(小麦)

小麦は人類最古の作物のひとつとされ、今から約1万年前にはすでにその栽培が始められていたと言われています。今では世界でもっとも生産されている穀物で、世界の半数以上の人々の主食となっています。小麦を製粉し、水を加えてこねると、たんぱく質が粘りの強いグルテンになることから、さまざまな形態のパンや麺、お菓子などに利用されています。小麦製品のひとつである「パン」には、小麦、水、酵母、塩のみで作る「フランスパン」、ライ麦粉を使った、食感が重く酸味のある「ライ麦パン」など様々な種類があります。また、パンを粉砕して作る「パン粉」は、フライの衣やハンバーグのつなぎなどに使われます。粉砕が粗目のものはボリューム感、細目のものは油切れのよさが特徴です。

食材のトリビア情報

【デュラムセモリナはパスタ専用!?】
パスタの原料となるデュラムセモリナは、デュラム種の小麦から作られる粉で「デュラム小麦の粗びき粉」という意味です。デュラム小麦はパン作り用の強力粉と質が異なり、グルテン量が多く甘みがあり、超硬質で美しい琥珀色をしているため、パスタやマカロニ作りに最適と言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス 小麦粉は100gあたり約370kcal、全成分の約70%が炭水化物を占め、私たちの活動のエネルギー源として重要な役割を担っています。また、たんぱく質も10%前後含まれており、たんぱく質源としても役立っています。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)エネルギー、炭水化物、たんぱく質
選び方 家庭で使用するのは、ほとんどの場合が製粉されたものです。小麦粉はグルテンの含有量によって分類されているので、強力粉・中力粉・薄力粉の中から、料理の用途で選びましょう。
保存 小麦粉は、においや湿気、虫の侵入を防ぐため、密閉容器に入れて冷暗所で保存します。比較的日持ちしますが、鮮度が落ちると味が落ちるため、開封後は早めに使いきるようにしましょう。
調理ポイント 小麦粉の用途として、強力粉はパンやピザ、中華麺などに、中力粉はうどんやぎょうざの皮などに、薄力粉は天ぷらやお菓子などに適しています。お菓子の場合は、ダマにならないようにふるいにかけてから使います。
品種や種類 小麦粉はグルテンの含有量の違いによって、強力粉・中力粉・薄力粉との3種類に分けられます。小麦には粒がかたい「硬質小麦」とやわらかい「軟質小麦」があり、グルテンの含有量の多い硬質小麦からは強力粉、グルテンの含有量の少ない軟質小麦からは薄力粉が作られます。

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