いちじく(無花果)

いちじく(無花果)

プチプチの食感とやさしい甘さが特徴のいちじくは、聖書に登場するなど古くから親しまれてきました。アダムとイブが裸を隠すのに使ったのも、いちじくの葉だったと言われています。アラビア半島あたりが原産で、少なくとも6000年前には栽培が始まったと言われており、古代エジプトの壁面にも描かれています。その後、ヨーロッパからペルシャ、中国へと伝わり、日本には江戸時代に中国から長崎に渡来しました。当初は薬用として栽培されていましたが、生産量が増えるにつれ食用として親しまれるようになりました。地方名は「からがき」や「とーがき」など。タルトやシャーベット、ゼリー、ワイン煮、ジャムなど幅広く利用されます。

食材のトリビア情報

【なぜ無花果?】
いちじくを漢字で書くと「無花果」。春から初秋にかけて果実の中に白い花が咲き、そのまま肥大しますが、外側からは花が見えないため、この字が当てられたと言われています。独特の食感である果実の中のプチプチは、実は花の部分なのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 8月~11月
栄養素トピックス 水分が約85%を占めます。栄養成分で特に多いのは、ぶどう糖や果糖などの炭水化物ですので、効率のよいエネルギー源となります。(※1)干しいちじくは水分が減る分、ミネラルの含有量が増えます。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
いちじく(生)水分、ぶどう糖、果糖(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
いちじく(乾)無機質
選び方 皮にハリと弾力があり、傷がないものが良質です。おしりが開いているものは完熟、割れてしまったものは熟しすぎです。
保存 日持ちしないため、早めに食べるようにしましょう。残ってしまった場合は、ひとつずつラップで包み冷蔵庫で保存します。干したものは常温で保存するとよいでしょう。
調理ポイント 生、干したものともに和菓子、洋菓子に利用されます。生のいちじくは、ワイン煮にしたり、生ハムで巻いてオードブルにしてもよく合います。たんぱく質分解酵素を含むため、生のままではゼラチンを使ったゼリーやムースには使えません。一度いちじくを加熱処理しないとゼラチンが固まらないため、注意が必要です。
干しいちじくは、牛乳やココナッツミルクとともにミキサーにかけ、ジュースにするのもおすすめです。
品種や種類 日本で長年親しまれている「桝井ドーフィン」は、ほどよい甘みと、さっぱりとした風味が特徴です。ほかに、果肉部分が肉厚でトロリとした食感が特徴の福岡県限定ブランド品種「とよみつひめ」、皮の濃い紫色が特徴で果肉がやわらかく糖度が高い「ビオレ・ソリエス」などの品種があります。

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