きんめだい(金目鯛)

きんめだい(金目鯛)

かつては産地周辺でのみ食べられていたきんめだい。しかし今では流通の発達でどこでも刺身が食べられるまでになりました。鮮魚は非常に高いですが、冷凍ものはお手頃な価格です。国産だけではまかないきれないほどの人気で、築地でも輸入ものを見ない日はありません。最高級のきんめだいは、東伊豆で獲れる鮮度の良い「地きんめ」と言われています。大きくて色も赤く鮮やか。刺身は脂が身の中まで均等に含まれ、トロッと甘くしかも上品。身質はやわらかいながらも、噛み応えがあります。煮魚にすると脂が浮き上がり、煮汁全体をからめるようにして溶け出してきます。身はホロッとしていて、白身ながら濃厚な旨みをもっています。

食材のトリビア情報

【かつては嫌われもの?!】
きんめだいは、かつては脂っこさが嫌われ安価で、産地周辺でのみ食べられていた魚でした。ところが流通の発達と脂志向の影響で、みるみる高級魚に。もっぱら煮つけや塩焼きにされていたものが、いまでは刺身やしゃぶしゃぶ、フレンチではグルエ、イタリアンではカルパッチョなど、様々なジャンルの料理に引っ張りだこです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 11月~6月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、栄養成分の約18%を占めます。脂質は9%程度であり、脂質とたんぱく質のバランスの良さが、美味しさにも繋がっていると考えられます。また、毎日の健康維持に役立つマグネシウムを含む点も、注目すべきポイントです。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂質、マグネシウム
選び方 目が透き通っていて黄金色のもの、皮目が赤く鮮やかなものが新鮮です。切り身は、白っぽいものではなく、つやがありサシ(脂の細かいスジ)が入っているものを選びましょう。
保存 頭と内臓を取り除いて洗い、水気をふき取ります。ペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存しましょう。
調理ポイント 煮つけはこってり甘みを利かせるのがおすすめ。きんめだいは脂が強いので、それに負けない甘みと濃口しょうゆの旨みをまとわせ、こってりさせるのが最高の食べ方と言われています。煮つけや塩焼き以外に、刺身、しゃぶしゃぶ、カルパッチョなど、様々な調理法で楽しむことができます。
品種や種類 きんめだいの生息域は広く、世界中から輸入されています。国産のきんめだいの仲間には「南洋金目」「風船金目」があり、これらは脂も旨みもきんめだいよりやや劣り、安価です。「南洋金目」は、塩焼きや煮つけの味は物足りなさを感じさせますが、刺身にすると上質な白身で美味しいと言われています。

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