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東北大学 加齢医学研究所 所長 川島 隆太 教授「朝ごはんの質によって子どもたちの運命は変わるのです」

脳科学者の第一人者で「脳トレ」でもお馴染みの川島隆太教授。
子どもたちの生活における朝ごはんの大切さを、ずっと力説されてきました。
さらに、朝ごはんに何を食べるのか質も重要です。それはなぜなのか?そして受験生に必要な食事とは?
先生ご自身の食生活も踏まえて、教えていただきましょう。

  • 朝ごはんの質によって子どもたちの運命は変わるのです朝ごはんを食べることの大切さについて、川島先生自身の体験を含めてお話いただきました。
  • 家族そろって朝ごはん、それが子どもたちの意欲を伸ばす「米を中心にバランスのとれた朝食をとることの意味」、「家族揃って食事をとることの大切さ」という観点から、受験生を持つ親や受験生自身に気をつけてほしいことをお話いただきました。

川島 隆太 教授

川島 隆太 教授
東北大学 加齢医学研究所 所長
1959年千葉県生まれ。東北大学医学部卒業。同大学院医学系研究科修了。スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学助手、講師を経て、同大学教授。医学博士。脳のどの部分にどのような機能があるのかを調べる「ブレインイメージング研究」の日本における第一人者。主な著書に『自分の脳を自分で育てる』『元気な脳が君たちの未来をひらく』(くもん出版)、『ホットケーキで「能力」があがる』(小学館)などがある。

朝ごはんの質によって子どもたちの運命は変わるのです

川島 隆太 教授

脳科学者として、朝ごはんの大切さを力説している川島先生は、
ふだん、どんな朝食を召し上がっていますか?
わが家の朝ごはんは、妻と子どもたちはご飯、僕だけパンなんです。というのも、僕自身、子どもの頃からずっとパン食で育てられたものですから、どうも朝はパンしか喉を通らない。女房も、同居している2人の子どもたちもみんなご飯。僕だけ一人で毎朝パンを食べています。
お米からパンが焼けるパン焼き器を購入して、玄米を焼いたパンを食べています。これはもう生活習慣ですね。
ふだんお米とのつきあいは?
朝食以外、基本的に米食です。僕は味音痴なので、違いはよくわからないのですが、家族はみんなこだわっています。以前は宮城県のササニシキでしたが、最近は「北のお米がおいしい」と、北海道のゆめぴりかを食べています。
朝ごはんの大切さを意識したきっかけは?
朝ごはんを食べることの大切さはずっと前からいわれてきたことで、「早寝・早起き・朝ごはん」の運動がさかんに行われていました。さらに10年ほど前、アンケートを元に調査で進めると、朝ごはんの質によって子どもたちの運命が変わるというデータが出てきたのです。現実に子育て中の家庭を覗くと、約半数の家庭では食パンか菓子パンとジュースか牛乳だけで、おかずを食べていない。それが普通になっているのです。成長期の子供ですから、栄養バランス的にも、おかずを食べることはとても大事です。
でも朝からたくさんおかずを作るのは大変です。
みなさんは朝ごはんは朝作るものだと思い込んでいるんですね。学校の先生や保護者に向けて、「朝はおかずも食べなきゃダメですよ」と話すと、みんな下を向いて暗くなっていきます。でも「前の晩のおかずを残しておくだけでもいいし、忙しいときは作りおきして冷凍庫へ入れておけばいい」といった途端、パッと顔が明るくなる。
それから中高生には、「自分の身は自分で守ろう」と話しています。
親が作ってくれないから食べないと損するのは、誰ですか?親じゃない。あなたたちだよ。
だから自分で自分の身を守ることを考えよう。余裕があれば自分で作ればいいし、晩ごはんのおかずを一品多く作ってもらうとか、自分の分を冷蔵庫にしまっておいて、朝、温め直すぐらいはできるはず。親のせいにして、人生をダメにするのは自分だってことを、ちゃんと認識しようと。
川島先生ご自身も中学生の時、朝ごはんを作っていたそうですね。
そうです。母は非常に体が弱いので、1年ぐらい布団から出られない時期があったんですね。中学2年生の時です。代わりに僕が主婦してました。勉強はあまりしませんでしたが、部活をしながらやっていましたね。

家族そろって朝ごはんそれが子どもたちの意欲を伸ばす

川島 隆太 教授

受験生の保護者の方に、ご提案を。
朝ごはんの主食は米、できれば玄米を。なおかつおかずをたくさん食べることが、子どもの脳にとって大切だと思います。
米のブドウ糖を上手に脳が使うために必要なのは、ビタミンB1とリジンという必須アミノ酸のふたつ。これはずっと昔からわかっていました。リジンを摂るには、豆がとてもよい。
ですからご飯と納豆は非常にいい組み合わせです。

また、ビタミンB1が豊富で子どもたちが喜んで食べる食品に、豚肉があります。
僕が受験生に、「脳にいい食事」として提唱しているのは、野菜たっぷりの豚汁と納豆ご飯。
成長期ですからタンパク質と脂質も必要なので、卵やハム・ソーセージ類もいいと思います。味噌汁に豆腐でもいい。大豆や豚肉の加工食品を上手く取り入れて、食べ応えもある。そんな朝ごはんがベリーベストです。
受験生自身が作ってもいい。
最近は子どもたちの方が、危機感をもって僕の話を聞いてくれますね。親が忙しくて作ってくれないからパンだけかじって学校へ行く。それじゃ君らの人生だけがダメになるよって話すと、「なんとかしなきゃ」と。そもそも、料理することは脳にいいんです。宮城県の県北地方では、中学の家庭科で「自分で自分の朝ごはんを作れる」ことを目標にしようと、教科内容を切り替えているところです。何を食べたらいいか、最低限の知識と技術を、まず最優先して教えよう。
調査していて本当に悲しかったのは、幼稚園、保育園の子たちの4〜5割は孤食だということ。親は違うことしていて、子どもは、もしゃもしゃ食べているのでしょう。信じられません。日本はどこに行っちゃうんだ。文科省の調査をしていたとき、「豊かさって何だろう」ってことを、すごく考えましたね。親が忙しすぎて、朝ごはんをきちんと作れない。そういう時代だからこそ、自分の身は自分で守るための技術を、学校で教えなきゃいけないんじゃないか。それが僕の持論です。
もうひとつ大切なのは、朝ごはんを家族揃って食べること。それが子どもたちの意欲を伸ばすことが、仙台市のプロジェクトを通じてわかりました。
家族とのコミュニケーションが担保されていることは、子どもにとってプラスで、少ないことはマイナスでしかありません。
とくに今、家族が揃える時間帯は、多くの場合朝しかありません。昼はみんなバラバラだし、夜は帰りが遅い。だからこそ朝ごはんをどう食べるかが大事なのです。朝がっちり食べようと思ったら、早寝しなければ。すると、早寝→早起き→朝ごはん。全部つながるのです。
受験生には、睡眠も大事ですね。
とても大事です。都会では夜の塾通いが当たり前になっていますから、それは否定しません。ただ、塾に行って努力して、その努力を自分に残したいなら、少なくとも8時間寝ないとダメです。ちゃんと睡眠をとって生活していないと、どんなに塾で頑張っても、払ったお金が無駄になってしまいます。
いま、小学生の睡眠時間はいろいろです。地域によって違っていて、首都圏は極端に短い。宮城県の小学生は、平均8時間は寝ていますね。秋田県はもっとしっかり寝ています。当たり前のことを当たり前にしているだけ。しっかり寝て、しっかり家族でご飯を食べて。大切なのはそれだけなんです。(平成27年4月に全国42,736名の小学生を調査)
特別なことは、必要ないのですね。
僕がいっているのは、すべて「当たり前」のことです。新しいことでもなんでもない。今の時代は、当たり前のことを当たり前にすることが難しくなっている。僕らが科学で証明しているのは、昔の人たちがずっとやり続けてきたことは、科学的に見てもいいことだったんだと、検証しているだけなのです。
受験生の親にできることは、子どもと一緒に朝ごはんをちゃんと食べること。やる気スイッチは朝ごはん。そこで第一段階クリア。ただし、それだけでは報われません。あとは子どもの努力しだいです。

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