かんぱち(間八)

かんぱち(間八)

ぶりの仲間であるかんぱちは、古くから値の張るもので、庶民にはなかなか手の届かない魚でした。しかし近年、養殖ものの影響で値が下がりぎみです。まだまだ高級魚ではありますが、スーパーなどでも見かけることが増えてきました。白身魚の刺身といえば、シマアジ、カンパチ、ブリが代表的なもの。価格もおよそこの順に高く、人気も同様です。天然漁は少なく、非常に高価になっています。夏が旬ですが、年間を通してあまり味が落ちないのが嬉しいところ。市場には養殖ものが多く入荷し、天然ものも含めるとかなりの量になります。それでも養殖も天然も高値がつき、とくに養殖魚ではブリよりも常に上です。また、刺身にしてこれほど旨みを発揮する魚もめずらしく、天然ものには幼魚でも脂があり美味しい物があるといわれています。これは小さいと美味しくないブリとは違うところです。

食材のトリビア情報

【「八」の字が語源!?】
かんぱちには、左右体側に斜めに走る暗褐色の線があります。これを顔の正面から見ると「八」の字に見えるため、「間八」から「かんばち」と呼ばれるようになったと言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 6月~9月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、栄養成分の約21%を占めます。(※1)EPAやDHAといった不飽和脂肪酸が含まれる点も注目すべきポイントです。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質
選び方 身に透明感があるものが良質です。身が黒っぽいものは鮮度が落ちているため、避ける方がよいでしょう。また、血合いが鮮やかなものが美味しいとされています。
保存 ペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存します。もしくは、急速冷凍してラップで包み、密封して冷凍庫で保存します。
調理ポイント 鮮度のよいものは刺身や寿司種に向きます。塩焼きや照り焼きにする場合、調理前に塩をふって少し時間をおくと、水分とともに臭みが出て、旨みが凝縮します。
品種や種類 天然のかんぱちは身が硬く、非常に食感がよいとされています。しかし、養殖ものも、この硬い食感を失わず、また味わいでもブリより優れています。ブリ類は56%が国内生産量のうち養殖によって生産されており、近年かんぱちの養殖生産が増加しています。(※1)

(※1)農林水産省平成23年漁業/養殖業生産統計

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