たこ(蛸)

たこ(蛸)

たこは日本人になじみ深い魚介類のひとつ。玩具や日本画などでも主役となっており、古来日本人に身近な生き物だったことがうかがわれます。たこの音の由来には、「た」は手「こ」はたくさん、で手がたくさんの意や、「てなが(手長)」「てこぶ(手瘤)」の意でこれが転訛したもの等、諸説あります。産卵期は瀬戸内海では6月から9月前後で、ピークは6月と9月の2回。漁獲量は年々減少しており、高値傾向にあります。(※1)店頭でよく見かけるのはまだこで、ゆでたものが多く出回っています。アフリカやスペインからの輸入ものも増えていますが、簡単に国産ものと見分けることができます。国産はゆでると小豆色に、アフリカ産はきれいなピンク色になります。国産ものは小豆をゆでたような香りがあり、味わい深いという違いもあります。

(※1)参考文献:からだにおいしい 魚の便利帳 (便利帳シリーズ)

食材のトリビア情報

【韓流ブームで有名に!?】
もともと市場での評価は低く安価なものでしたが、近年の韓国料理ブームで生食が主流となり、値段が上がっている「てながだこ」。その食べ方とは、生きているたこの脚をトントンと切り、ムニュムニュ動いているものにコチュジャンをまぶして食べるというものです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 4月~8月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、成分の約20%を占めます。たんぱく質は、筋肉や内臓、爪、髪などを構成する栄養素ですので、老若男女問わずおすすめです。また低脂質であるため、減量を意識している方でも安心して食べることができます。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質、脂質
選び方 足が固く締まり、皮が破れていないものが新鮮です。また、身に弾力があり、吸盤がしっかりしているものが良質とされています。
保存 軽く湯通しし、余熱をとってからペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存しましょう。密閉容器に入れて冷凍庫で保存も可能です。
調理ポイント 刺身は切り方によってその美味しさが変わると言われています。まな板の上にのせて、たこの左端から包丁を大きく右に倒してそぎ切りにします。一切れの厚さは3~4mmを目安にしましょう。大根が手に入ったら、大根と一緒に茹でるのもおすすめです。大根の豊富な消化酵素の作用で、短時間でもたこがやわらかく茹で上がります。
品種や種類 日本で食べられている主なたこは、比較的南方にいる「まだこ」と、北方にいる「みずだこ」です。「みずだこ」は主に脚だけで流通し、「まだこ」のような旨みはないものの、適度なやわらかさと食感が人気です。また、地方の風物詩として「いいだこ」も有名です。いいだこは茹でると卵が「飯(いい)」のように甘くなることから、この名がつきました。

おすすめレシピ