シェフごはんコラム

春爛漫♪厳選ドイツワインとともに楽しむ「基本のドイツ料理」

ドイツといったらソーセージにビール!というイメージを持つ方も多いと思いますが、ドイツは知る人ぞ知るワイン大国! 特に白ワインは、国際的にも評価が高くバラエティも豊か。食事との相性が良い辛口の品種も多いので、ひと皿ごとに最適なワインをセレクトして、料理とのベストマッチを楽しんでみては? ドイツワインに合わせるならやっぱりドイツ料理、ということで今回は、ドイツワインバーRiesling松下真之シェフに、ドイツの伝統的な料理をオススメワインとともに教えていただきました。店名となっているリースリングもまた、ぶどうの女王といわれる品種。松下シェフこだわりのワインセレクトにも注目です。

シュパーゲル オランデーズソース(ホワイトアスパラガス)

シュパーゲル オランデーズソース(ホワイトアスパラガス)

日本人にとっての筍のように、ドイツ人にとって春の訪れを告げる食材が、シュパーゲル。ホワイトアスパラガスのことで、シーズンが訪れるとドイツ中のレストランで「Spagel」という看板が掲げられ、市場には朝採れのシュパーゲルが山積みになるほど。シュパーゲルは表面が固いので、穂先下から皮全体を剥くことがポイント。さらに、剥いた皮や切り落とした根元を茹で湯に入れることで、風味がググッと増します。あつあつ茹でたてのシュパーゲルに欠かせないのが白ワイン。シェフのオススメは、フルーティな柑橘系の味わいをもつ「Silvaner(ジルバーナ)」。ドイツの伝統的な品種です。

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ツヴィーベルクーヘン(ドイツ風 玉ねぎのキッシュ)

ツヴィーベルクーヘン(ドイツ風 玉ねぎのキッシュ)

シュパーゲルが春の味覚なら、こちらは秋の味覚。ドイツの秋には、発酵をはじめたばかりの新ワイン、Federweisser(フェダーヴァイサー)が登場します。新ワインと切っても切り離せないのがこの料理で、クーヘン(ケーキ)と名がついてはいますが、甘くなく、キッシュのような味わい。たっぷりの玉ねぎをじっくり炒めて、甘味と旨味を十分に引き出しましょう。型にはバターを多めに塗って、パリッと香ばしく焼き上げます。ともに味わうなら、モーゼル地方の「Riesling(リースリング)」を。スッキリした酸味で、玉ねぎの甘味を引き立たせてくれます。

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マウルタッシェン きのこのホワイトソース

マウルタッシェン きのこのホワイトソース

まるで巨大な餃子のようですが、パスタ生地に詰め物をし茹でていただく、ラビオリに近い料理。ドイツ南西部のシュヴァーベン地方の郷土料理で、現地では聖金曜日に食べる風習があります。今回は白ワインに合わせてホワイトソースを添えましたが、トマトソースやスープ仕立てでも美味しくいただけます。生地が少し厚めなので、茹でている間に詰め物が出てこないようフォークでしっかり留めておきましょう。しっかりめの食事に合わせるのは、プファルツ地方の「Pinot blanc(ピノ・ブラン)」。透明感のある花のような香りとやわらかな口当たりがきのこのソースとも好相性!

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松下シェフのドイツ愛が溢れる3品、ぜひワインとともにチャレンジしてみたくなりますね。食事に合うワインが多いのが、ドイツワインの魅力。だからこそ、これからのまぶしい季節、白ワインをキリッと冷やして、友人や家族と一緒にドイツ料理パーティ♪というのも素敵ですね。

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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