シェフごはんコラム

地中海の恵みを存分に味わう♪「基本のギリシャ料理」

ヨーロッパの東南端に位置するギリシャ。フォトジェニックな神話の国として知られていますが、実は美食の国でもあります。ギリシャ料理の特徴といったら、特産品でもあるオリーブオイルをたっぷり使うこと。また、周囲を地中海に囲まれ、気候にも恵まれていることから、新鮮な魚介類や野菜を使った料理が多く、日本人の口にも合うものがたくさん。その食文化は“地中海の食事”として世界的に注目を集めています。今回は、そんなギリシャ料理の魅力を伝えるべく日夜精進するRESTAURANT スパルタ 関内店の若き期待のホープ 植松昌太さんにとっておきの3品教えていただきました。

ユワレラキア (ミートボールのレモンソース煮)

ユワレラキア (ミートボールのレモンソース煮)

ラテン語で“青春”という名の料理。ギリシャでは柑橘類の栽培も盛んで、料理にもよく使われます。家庭でも常にたっぷりのレモンが常備されていて、庭にレモンの木があることも珍しくありません。米入りでボリュームたっぷりのミートボールも、レモンの爽やかな酸味で食べやすく仕上がり、まさに青春の味。米は生米を使って煮込むので、芯が残りやすい日本の米よりも、タイ米などの長粒種がオススメ。最大のポイントは、レモンソースにスープを少しずつ加えて、温度を近づけてから鍋で合わせること。レモンの分離を防いでくれます。残ったソースはパンに浸して食べてもおいしい♪

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メリジャネス・イマン・バルディ(ナスの野菜詰め)

メリジャネス・イマン・バルディ(ナスの野菜詰め)

ギリシャ料理は野菜の使い方が非常に多彩。というのもギリシャでは、主たる宗教であるギリシャ正教会の戒律によって、肉、魚食を禁じられる期間が非常に長く、アイデアを凝らした野菜料理がたくさん作られてきたから。これもそのひとつで、野菜に野菜を詰めて焼くというヘルシーな一品。たっぷりのオリーブオイルに野菜の旨味をうつし、その油を野菜詰めにしたナスにかけてじっくり焼きます。加熱によって、上にのせたトマトのコクと甘味が増し、ソースのような役割に。野菜の旨味がぼやけないように、はっきりした味に調味するのもポイントです。

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taramosalata(タラモサラダ)

taramosalata(タラモサラダ)

日本人にもっともなじみ深いギリシャ料理と言っても過言ではないでしょう。でもこれ、タラコ+ジャガイモのサラダ、ではなくて、タラマ(魚卵)を使ったサラダ、という意味。本場では、マッシュポテトではなく、パンをつなぎにすることも。じゃがいもはメークインを使います。茹でるのに時間がかかり、つぶすのにも力が要りますが、クリーミーな口当たりになります。レモン(酸)とオリーブオイル(油)を乳化させるため、ホイッパーでしっかり混ぜてなめらかに仕上げましょう。卵を使わない分、マヨネーズで作るよりも軽やか。サラダ、というよりディップに近いので、パンやクラッカーを添えてもGOOD!

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ギリシャはオリーブオイル生産量では世界第3位ですが、実は生産量のほとんどが最高級品質のエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル。良質なオイルを毎日摂ることで、健康を維持しているんですね。あなたもギリシャのオリーブオイルを入手して、ヘルシーなギリシャ料理にトライしてみましょう!

文:一杉さゆり
写真:平瀬夏彦

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