たけのこ(筍)

たけのこ(筍)

草木が芽を出し、グングン伸びる春の野菜は、強い生命力を秘めていると言われています。たけのこもかつては春のスタミナ食とされていたほどです。古事記にも記述があり古くから食べられていたようですが、現在流通しているたけのこの、大部分の原産地は中国です。やわらかい先端部分(姫皮)は酢の物や和え物に、穂先は炊き込みご飯に向いています。歯ごたえのある中央部分は煮物や炒め物に幅広く使えます。食用とされるのはたけのこの若芽の部分ですが、皮には防腐効果があるので、食品の包装に適しています。孟宗竹(もうそうちく)は3月中旬~5月頃、淡竹(はちく)がそれに続き、真竹(まだけ)や根曲がり竹(ねまがりだけ)が5月~6月頃出回ります。

食材のトリビア情報

【たけのこの皮と竹の節の数は同じ】
成長して落ちた竹の皮は、おにぎりを包むなど昔から使われていました。この竹の皮1枚には竹の節1つが包まれているので、皮と節の数は同じ数になります。たけのこが成長するにつれ、新しい皮が上の方から表れてきます。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 4月~5月
栄養素トピックス 栄養価はあまり高くありませんが食物繊維のセルロースが豊富で、カリウム、葉酸を含みます。(※1)アミノ酸の一種であるグルタミン酸、チロシン、アスパラギン酸を含み、これらはうま味のもととなります。切り口に見られる白い粉はチロシンというアミノ酸です。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)カリウム、葉酸(※2)からだにおいしい野菜の便利帳
選び方 根元の切り口がみずみずしく変色しておらず、白いものが良質です。根元の赤い斑点が薄いものが良質です。皮は淡黄色で適度な湿り気と光沢があり、ずんぐりとして重く太いものを選びましょう。
保存 収穫後時間が経つほどエグみが出るので、すぐに茹でましょう。茹でたものは水にひたし冷蔵庫で1週間保存できます。水をこまめに取り替えるとより日持ちさせることができます。
調理ポイント たけのこを茹でる場合は、皮付きのまま先端を大きく斜めに切り皮の部分に切込みを入れましょう。ぬかひとつかみと唐辛子と共に大鍋で水から茹で、沸騰したら弱火にして40~50分茹でます。根元に竹串が通るようになったら火を止め、そのまま茹で湯ごと冷まします。切り込みを入れたところから皮をむいていき、かたい皮がなくなるまでむきます。切り口に見られる白い粉のチロシンは旨みなので、洗い流さずそのまま食べられます。
品種や種類 孟宗竹(もうそうちく)は香りがよく、肉質がやわらかです。寒さに弱いので主に関西や九州地方で栽培されており、京都産がもっとも良質と言われています。淡竹は寒い地方に育つ直径3~5㎝程度の細いたけのこです。真竹は昔から栽培されていて、アクが強く苦味があります。根曲がり竹は日本原産で鳥取県より北で育ちます。アク抜きせずそのまま調理できます。

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