キャベツ

キャベツ

ヨーロッパ原産のキャベツは、古代ギリシャ、ローマの時代から食べられていた最古の野菜のひとつです。野生種は結球しないケールのような葉キャベツで、栽培の長い歴史の中で現在の丸く結球したものが生まれました。日本へは江戸時代に伝わり、明治以降、本格的に栽培されるようになりました。1年中出回っているキャベツですが、時期によって特徴があります。何枚も重なった葉がしっかり巻かれていてずっしり重いものは11月~1月に出回ります。これが寒玉と呼ばれる冬キャベツです。甘みがあり、ロールキャベツのような煮込み料理におすすめです。一方、葉の巻きがゆるく内部まで黄緑色をした葉質のやわらかいものは春玉と呼ばれる春キャベツです。早春から出回り始め、みずみずしく甘味があるので人気が高まり生産量が増えています。

食材のトリビア情報

【キャベツで恋占い】
中世スコットランドでは、カップルがキャベツ畑に行き、目隠しをして引き抜いたキャベツの根に土がついているかどうかや、かじったキャベツの葉っぱの味で恋占いをしていたそうです。この恋占いによってヨーロッパでは「赤ちゃんはキャベツ畑からやってくる」と言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 3月~5月(春キャベツ)、7月~8月(夏秋キャベツ)、1月~3月(冬キャベツ)
栄養素トピックス 胃がムカムカするときにおすすめといわれるビタミンUが含まれています。これはキャベツから発見されたのでキャベジンとも呼ばれている水溶性ビタミン様物質です。(※1)またビタミンK、葉酸、ビタミンCが多く含まれています。(※2)妊娠を考えている、肌の調子が気になるなど女性にうれしい食材です。

(※1)からだにおいしい野菜の便利帳
(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)ビタミンK、葉酸、ビタミンC
選び方 葉の緑色が濃く鮮やかで、ツヤとハリがあるものが新鮮です。切り口がみずみずしく割れたり変色していないものが良質です。寒玉は葉がしっかり巻かれていて重みのあるもの、春玉は巻きがやわらかく、弾力のあるものが良質です。
保存 丸ごとの場合は包丁で芯をくり抜き、湿らせたペーパータオルをつめ保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。カットしたものはラップで包んで冷蔵庫で保存しましょう。カットした断面から傷むので外側の葉から1枚ずつはがして使うのがベストです。
調理ポイント 外側の葉1~2枚は捨て、1枚ずつはがし、丁寧に洗ってから調理しましょう。切った面からビタミンCなどが流出するので、せん切りキャベツなどを水に浸すのは5分ほどにしましょう。
寒玉は加熱しても煮崩れしにくいので、煮物や炒め物に向き、春玉は水分が多くやわらかいので、蒸し物、サラダなどの生食に向きます。
品種や種類 「寒玉」は形が扁平で色が薄く、かたく結球します。「春玉」は葉がやわらかく、色も濃いのが特徴です。カーボロネロとも呼ばれ繊維も風味も強く、球形にならない「黒キャベツ」、フランス・サボア地方発祥の葉がちりめん状に縮れている「サボイキャベツ」はともに煮込み料理に向きます。アントシアニンによる色味で赤キャベツ、レッドキャベツとも呼ばれる「紫キャベツ」、やや小ぶりの「グリーンボール」は葉質がやわらかいので生食に向いています。

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