シェフごはんコラム

老舗の名店が教える本場の味! 「基本のスペイン料理」レシピ

山の幸、海の幸を多彩な調理法で楽しむスペイン料理。気軽なタパス(小皿料理)はよく知られていますが、それだけじゃあ、ありません。みんなでワイワイ食卓を囲みたくなる料理もたくさんあります。

今回は、吉祥寺で30年以上続く老舗スペイン料理店ドス ガトス高森 敏明 シェフに、スペインのおふくろの味、ともいえる郷土料理を教えていただきました。家族や気のおけない友人と、おしゃべりを楽しみながら味わいたい3品、ぜひチャレンジを!

魚介のパエリャ

魚介のパエリャ

スペイン料理といったら「パエリャ」。米どころバレンシア地方が誇る米料理です。現地ではインディカ米を使うため、粘りが少なく仕上がりも水っぽくありません。今回は、粘りの出やすい日本の米を使いながらも、鍋に入れる前のある一工夫で本場の味を実現。ここが最大のポイントです。魚のブイヨンに貝の出汁を加えることで、グッと深みのある濃厚な味わいに。仕上げにしっかり水分を飛ばし、「ソカラ」と呼ばれるおこげを作りましょう。パエリャは見た目も華やかなので、パーティなどにもピッタリ。たっぷりレモンをしぼって召し上がれ!

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鶏肉のチリンドロン

鶏肉のチリンドロン

1度耳にしたら最後、何度でも口に出したくなる名の「チリンドロン」。スペイン北東部アラゴン地方の郷土料理で、タマネギやトマト、ピーマンなどを炒め煮にしたソースのことです。現地では、このソースでウサギ肉や羊肉などを煮込みますが、今回は手軽に鶏肉で。味の決め手は生ハムとパプリカパウダー。ピメントンというスペイン産のパプリカパウダーは、パプリカをスモークし乾燥させた香り高い香辛料。日本でいうところの鰹節のようにスペイン料理にも欠かせない存在。揃えておいて損はありません。

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クレマカタラナ

クレマカタラナ

カタルーニャ地方を代表する洋菓子。一見、クレームブリュレのようですが、生クリームは使わず卵黄と牛乳だけで濃厚に仕上げるのがスペイン流。また、オーブンや蒸し器は使わず、鍋であたためるだけという簡単ステップ。とろ〜りなめらかな舌触りにするには、加熱時の温度を守ることと、こし器でしっかり裏ごしをすること。このふたつをしっかり守ることがポイント。トッピングのキャラメルは、2段階に分けると上手に仕上がります。食べる直前に炙って、ひやひやあつあつ、パリパリとろとろの食感を楽しみましょう♪

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本場バルセロナの2つ星レストランで腕をふるった名シェフの味、ぜひ試してみたいですね。ステップに不安がある場合は、シェフの行う料理教室に参加してみるのもいいでしょう。本格パエリャをスマートに炊きあげるコツを目の前で学ぶことができます。料理がますます楽しくなりそうですね!

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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