シェフごはんコラム

スパイスを味方につけて医食同源♪「基本のインド料理」パート3

“アーユルヴェーダ”ということばを聞いたことがありますか?インド大陸に伝わる伝統医学で、その考え方は、体質に合わせて病気になりにくい身体をつくる、といういわば「予防医学」。アーユルヴェーダで食べものは最高の薬。体質に合わせて過不足のバランスを整える食事法や調理方法が重要視されています。

そんなアーユルヴェーダの考え方を基に、食のあり方を問いながら作るカレーレストラン シバ」 柴崎 武志シェフに、スパイスの効いたおすすめインド料理を教えていただきました。

チキンシャクティ(ゴア風チキンカレー)とターメリックライス

チキンシャクティ(ゴア風チキンカレー)とターメリックライス

西インド・ゴアの名物料理。たっぷりのスパイスに漬けて焼きつけたチキンと、香味野菜、トマト、ココナッツ、スパイスをじっくり煮込んだカレーです。シャクティとは「力」という意味。夏バテした身体に元気をつけたいときにオススメ。タマリンドの代用として、なんと梅干しが使われていますが、味に違和感はなく、家庭でも作りやすいのがうれしいですね。スパイスがたくさん並んでいるように思えますが、同じものを使っているので実際は数種類。カレーを手作りするなら揃えておいて損はないスパイスばかりです。合わせるターメリックライスは、米にターメリックを入れて炊くだけ。ターメリックは和名「ウコン」。飲み過ぎ注意報の方にもオススメのスパイスです。

レシピを見る

ポリヤル(キャベツのポリヤル)

ポリヤル(キャベツのポリヤル)

ポリヤルとは、タミル語で「炒めたもの」という意味。野菜をスパイスとココナッツファインで炒め煮した、南インドの定番おかず。今回はキャベツで作りましたが、カリフラワーやブロッコリ、かぼちゃなど、お好みの野菜でアレンジ可能。チャナダル豆は、ひよこ豆を挽き割りにしたもので、インドではポピュラーな豆。キャベツのしっとりしたうま味に加え、豆のほくほく感も味わえるので、そのままでも、カレーに混ぜてもおいしく食べられます。耳慣れない「ヒン」というスパイスは、ヒングやアサフェティダとも呼ばれ、キャベツや豆類などと合わせて使うとお腹を整えてくれると言われています。

レシピを見る

サモサ(じゃがいもとグリーンピースのサモサ)

サモサ(じゃがいもとグリーンピースのサモサ)

インドのスナックといえば、やっぱりサモサ!具材には、肉、芋類、豆類などさまざまなバリエーションがありますが、今回は「アルマタール(アル=じゃがいも、マタール=グリーンピース)」。じゃがいもを使う場合は、ホクホクの食感が合うので男爵系がおすすめ。サモサ生地に使う小麦粉は、あらかじめ軽く炒って余分な水分を飛ばしておきます。このひと手間でサクサクの食感に。また、ターメリックを練り込むことで、色鮮やかで、ついつい手が出る仕上がりになります。揚げたてに、インドのピクルス「アチャール」をたっぷりつけて召し上がれ!

レシピを見る

紀元前から伝わるとも言われる、インドの医食同源ともいえるアーユルヴェーダ。柴崎シェフのレシピを試してみると、身近に思えるはずです。これをきっかけに、自分の体質がどんなものかを知って、日頃の食生活を見直すのもいいかもしれませんね。

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

  • facebookにシェア
  • ツイートする
  • はてなブックマークに追加