シェフごはんコラム
恵方巻きを手作りで!「寿司屋の巻き寿し&銀だらの粕漬け」
2月3日は節分。昔から季節の変わり目には邪気が生じると言われ、それを祓うために豆まきをしたり、邪気除けの柊鰯を飾ったり、数々の行事が行われてきました。なかでも、その年の恵方に向かって無言で太巻きを食べる「恵方巻き」という習慣は、かつて大阪を中心に行われていましたが、今や全国区のイベントに。太巻きも年々凝ったものが登場していますが、今年は手作りにチャレンジ!
恵方巻き

陰陽道で、その年の福徳を司る神といわれている“歳徳神”がいる方角が恵方。その方向に向かって行動すると、御利益を得られる、といわれています。お正月の恵方参りと同様、恵方巻きも福を招くためのもの。だからこそ、具材は七福神にあやかって7種類。全形海苔を半分に切って縦に使い、短めの食べ切りサイズに仕上げます。具材が多いので崩れないように、かんぴょうなど汁気のある具は汁気を切っておくこと。美しく巻き上がる具材の切り方、置き方、巻き方をレシピでしっかりチェックしてから巻きに臨みましょう。おぼろ、厚焼き玉子、穴子、椎茸は市販のものを利用してもOK。ちなみに、2017年の恵方は北北西です!
三色巻き(鉄火巻き・かっぱ巻き・たくあん巻き)

こちらは全形海苔を半分に切って横に使った細巻き。マグロの赤、きゅうりの緑、たくあんの黄色、とカラフルな3種類。きゅうりやたくあんは、長く太い1本を巻くのではなく、千切りにしてから巻きます。食べたときにかみ切りやすい、プロならではのひと手間ですね。細巻きは、恵方巻きと違って、仕上げに上下から指で押さえながら、四角に成形します。6等分に切るときには、包丁を切るごとに濡れ布巾で拭くこと。酢飯が包丁についたままだと、海苔が切れずに酢飯がつぶされて美しく切れません。日本人のソウルフードとも言える寿司。基本の酢飯(すし飯)の作り方をマスターすれば、ちらし寿司や手巻き寿司など家庭でも楽しみやすいですね。
銀ダラの粕漬け

日本酒は、夏の米作りからはじまり、年を越して搾りの時期を迎えると、もろみを圧縮し、澄んだ酒と酒粕に分けられます。節分は、新酒の酒粕も出回る頃。風味豊かな酒粕を使った粕漬けは、実は平安の頃からあった料理だといわれています。今回は、冬に旬を迎える新鮮な銀だらを粕漬けに。粕床には、酒粕だけでなく2種類の味噌を加えてコク、風味、うまみをアップ。また、銀だらと粕床の間にガーゼを挟み、ガーゼ越しに粕床を浸透させます。直接粕床にふれていないので、魚を洗う必要はなく、軽く水分をペーパーでふき取るだけでOK。鮭やむつなど、違う魚でも試してみたい一品です。
はるか昔から日本人は、季節の移り変わりや人生の節目のイベントを食とともに楽しみ、幸せを願う慣習があります。時代が変わり、形が変わっていくとしても、その根底にある国民性は変わらないはず。いつまでも、四季折々の行事を旬の食とともに楽しんでいきたいですね。
文:一杉さゆり
写真:千々岩友美




