にんじん(人参)

にんじん(人参)

原産地はアフガニスタンです。トルコを経てヨーロッパに伝わった西洋種とアジア東方に伝わった東洋種があります。日本には江戸時代に中国から東洋種が伝わり、明治以降に西洋種が入りました。西洋種は東洋種に比べ栽培期間が短く、農作業が容易なため、現在流通しているもののほとんどは西洋種です。東洋種は赤、白、黄、紫などカラフルで細長いのが特徴です。西洋種は根が短い特徴があります。子どもが嫌いな野菜としてにんじんが思い浮かぶことが多いと思いますが、近年の調査では好きな野菜ランキングで8位になっています。(※1)これはにんじんの品種改良が進み、独特の香りが減り、甘みが増したためクセがなく食べやすくなったことが要因と考えられています。にんじんはどんな料理にも合い、1年中食卓にのぼる野菜です。きれいなオレンジ色なので料理を引き立て食欲をそそります。

(※1)「2011年子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告書」

食材のトリビア情報

【にんじんの種には毛が生えている!?】
にんじんの種には、たくさんの毛が生えていて、市販品はそれを除いています。表面の毛が生えている部分は果実の皮で、その中に種子が入っています。毛は中の種子が熟すまで発芽しないように抑制する働きをしているのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 4月~7月、11月~12月
栄養素トピックス 豊富に含まれるβーカロテンは、体がだるいときや目が疲れているときにおすすめの栄養素です。葉にはビタミンCも含まれています。(※1)βーカロテンは表皮の下に最も多く含まれているので、表皮ごと食べるのがおすすめです。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)βーカロテン、ビタミンC
(※2)からだにおいしい野菜の便利帳
選び方 にんじん特有の赤みが強く、なめらかでハリがあり、葉はいきいきとした緑色のものが良質です。葉のないものは、切り口が小さく、芯の部分が小さいほど味が良いです。
保存 保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で細い方を下にして立てて保存します。蒸れたり湿ったりすると傷みやすいので、汗をかいたらこまめに拭き取るようにするとよいでしょう。使いかけのものはラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
調理ポイント にんじんに含まれるβーカロテンは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に食べるのがおすすめです。炒め物やドレッシングをかけるなど、油と一緒に調理しましょう。葉は天ぷら、おひたし、炒め物などに向きます。茎はかたいので下茹でし、細かく刻んで炒め物などにするとよいでしょう。
品種や種類 一般的なにんじん「五寸」は炒め物や煮物に向きます。冬に多く出回る「金時」は東洋種の京にんじんで、おせち料理の煮しめなど煮物に向きます。黄色くてクセのない「金美」は臭みが少なくサラダなど生食に向きます。10㎝ほどのベビーにんじん「ミニにんじん」は野菜スティックなどの生食や、シチューなどにそのまま入れて煮込む料理に向きます。表皮はアントシアニンの紫色で中はオレンジ色の「紫にんじん」は茹でると色素が出てしまうので生食に向きます。沖縄の在来種で冬のみに出回る「島にんじん」は甘味があり煮物や炒め物に向きます。

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