牛乳

牛乳

日本へは飛鳥時代には伝来していたようですが、一般に利用されるようになったのは明治時代になってからです。そして今では飲むだけでなく、さまざまな料理や食品に使われています。日本の乳牛のほとんどはホルスタイン種ですが、他にもジャージー種や、ガンジー種などがあります。ジャージー種はイギリス海峡にあるジャージー島が原産の褐色の乳牛で、乳量はホルスタイン種に劣ります。ただホルスタイン種とジャージー種の乳の成分を比較すると、乳脂肪・たんぱく質ともジャージー牛乳のほうが多いため濃厚な味わいになります。
ところで、人間が見ることができる太陽の光(可視光線)は7色で、光のすべての波長が反射したときに白く見えます。牛乳の乳脂肪は、脂肪球という粒子状になっているうえに、たんぱく質中のカゼイン粒子も小さくて、集まって大きくなる性質があるため、この脂肪球やカゼイン粒子にあたった光が反射して牛乳は白く見えています。(※1)

(※1)「食の科学」と「いのちの営み」を考えるたべもの・食育図鑑

食材のトリビア情報

【牛乳はもともと白くない】
母乳もそうですが、乳はもともとは血液です。消化吸収された栄養素は血液に流れ込み、全身に運ばれて利用されています。産後の牛では、乳房に運ばれた血液が、乳房の中にある細胞によって白い乳に変わるのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス カルシウム補給源の代表格とも言える牛乳ですが、含有量はもちろん注目すべきはその吸収力です。一般的に吸収されにくいカルシウムですが、牛乳においての消化吸収率は40~70%と群をぬいています。(※1)また生乳で比べるとホルスタイン種よりジャージー種のほうがたんぱく質、脂質、カルシウム、マグネシウムを多く含んでいます。(※2)

(※1)からだによく効く食材&食べあわせ手帖カルシウム消化吸収率
(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質、脂質、カルシウム、マグネシウム
選び方 牛乳は生乳だけを原料に使うことが決められ、添加物が入っている心配がありません。できるだけ新鮮なものを選びましょう。低脂肪乳やビタミン強化したものもあるので、味の好みや健康状態に合わせて選びましょう。
保存 開封後はしっかりと口を閉じ、においの強いものと離して冷蔵庫で保存します。賞味期限は未開封の状態での期限なので、開封後はなるべく早く飲みましょう。注ぎ口に触れると、細菌が入って繁殖するので気をつけましょう。
調理ポイント 牛乳を使うと、料理にコクやまろやかさを出してくれます。ホワイトソースなどコクのあるクリーム系ソースを作るときは、火にかけると焦げやすいので弱火で加熱しましょう。
品種や種類 「牛乳」は生乳をそのまま殺菌だけしたもので、”成分無調整牛乳”と”脂肪分調整牛乳”があります。「加工乳」はクリームや無塩バター、脱脂粉乳などの乳製品を混ぜて成分を調整したものです。低脂肪乳や無脂肪乳が加工乳になります。「乳飲料」はコーヒー牛乳や果汁入り牛乳など、乳成分以外のものを加えたものです。

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