しいたけ(椎茸)

しいたけ(椎茸)

万葉集にきのこの香りをたたえる歌があるように、日本では古くからきのこを好んで食べてきました。中でもしいたけは、日本人にとって特に馴染み深いきのこで、天ぷら、炒めもの、煮もの、鍋もの、汁ものなど、和食では様々な料理に利用されています。また干ししいたけはダシ取りにも利用されます。現在流通しているしいたけは、ほとんどが菌床で栽培したもの。菌床栽培とは、オガクズを米ぬかなどの栄養源と一緒に混ぜたて固めた『菌床ブロック』に種菌を繁殖させた栽培方法です。古くからある原木栽培に比べ、量産しやすい、栽培日数が短い、安定生産・安定出荷しやすいといった特徴があります。特有の旨み成分はグアニル酸とグルタミン酸。乾燥させると旨みが濃縮します。

食材のトリビア情報

【干ししいたけのパワー!?】
干ししいたけにすると、ビタミンDが濃縮して生しいたけの約10倍(※)に。これは、しいたけに含まれるエルゴステロールという物質が、日光の紫外線を受けてビタミンDへと変化するためです。

(※)参考資料:食品成分表ビタミンD平均比較

知っておきたい基礎知識

旬な時期 3月~5月、9月~11月
栄養素トピックス ビタミンDを豊富に含みます。カルシウムの多い小松菜や乳製品と一緒に食べるとよいでしょう。また食物繊維も含まれているため、美容と健康に興味のある女性にはおすすめの食材です。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)ビタミンD、食物繊維
選び方 カサの巻きが強く全開していないもの、カサの内側が白くひだがそろっているものが良質です。また、軸が太く短いものが美味しいとされています。
保存 ひだを上に向けて保存袋に入れ、野菜室で保存します。水分が多く日持ちしないので、カサの裏が黒ずむ前に使うようにしましょう。
調理ポイント 加熱すると旨み成分のグアニル酸が増えます。炒める場合は水分とともに旨みが流れ出ないよう、強火で手早く炒めましょう。また、干ししいたけは、戻す水に少量の砂糖を加えておくと、旨みが流出しにくくなります。乾燥によって旨みや香りの成分が増すため、煮物や和え物など様々なメニューに使われ、だし汁としても使われます。
品種や種類 原木しいたけは、香りが強く焼きしいたけなどに最適。菌床しいたけは逆にくせが無くしいたけ嫌いの子供でも食べやすいと言われています。また、肉厚でかさが開ききっていないものを冬茹(どんこ)、薄手でかさが開いているものを香信と言い、香信よりも冬茹の方が、味も香りもよいとされています。

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