お酒と料理

松下和昌 / エンジン 旬の食材を引き立てる、中華料理の技法と日本のロゼワイン

神楽坂は小道が楽しい。石畳の細い道を入った先のふと広がる広場に、新しい建物が姿を見せる。ここが中華料理店「エンジン」など、人気店が入るビルだ。

「エンジン」のシェフ、松下和昌さんは和の食材づかいに定評がある。赤坂の中華料理店「うずまき」でシェフをした後、2015年に独立して同店をオープンした。

「中華らしくない料理だね、とよく言われます。週に一度、築地に行くのですが、そこで出会う旬の食材からインスピレーションを受けますね。中国料理は本来、なかなか季節感が出しにくいのですが、日本の食材や果物を使うことで旬を表現したいと思っています」

店に置いてあるお酒はワインや紹興酒など。女性のお客様が多いからか、ワインを注文する人が少なくない。「僕自身はあまりお酒は強くないのですが」と言いながらも、優しい味わいの日本のロゼワインに合わせて、家庭でも作れる料理を教えてくれた。

甘すぎず、穏やかな酸が続く、国産ベーリーAのスパークリングワイン

甘すぎず、穏やかな酸が続く、国産ベーリーAのスパークリングワイン

実はお酒を飲むと、すぐ顔に出てしまうタイプ。日頃は、仕事上がりに店のスタッフと残ったものをつまみながら軽く一杯飲む感じです。その時に飲むお酒ですか?そうですね、フルーティな白ワインが多いかな。

いつもはフランスのワインを飲む機会が多いですが、今回は目線を変えて、日本のロゼスパークリングワインを選んでみました。メルシャンの「穂坂のあわ」です。甘すぎず、まろやかな酸味を感じますね。山梨県韮崎市に穂坂という地区があり、そこで栽培されたベーリーAというブドウ品種で作られたワインです。きめ細かな泡も上品ですね。

1.魚にイチジクのソースを『中華風鯵のカルパッチョ イチジクソース』

「穂坂のあわ」に合わせた1品目は、鯵をイチジクのソースと味わうカルパッチョ。「軽めの酸と甘み」をイチジクとワインの双方が持っているので、しっくりと馴染みます。

1.魚にイチジクのソースを『中華風鯵のカルパッチョ イチジクソース』

フランス料理の考え方に「(ワインと)同じ色の食材が相性がいい」というものがあるそうです。その考えを応用し、ベーリーAとイチジクの果肉の色味を合わせました。いつもお店では杏仁豆腐に季節の果物のソースを添えているのですが、その考えを応用して、果物のソースをカルパッチョに合わせています。

魚は今回鯵を使いましたが、秋刀魚の刺身でもいいですね。ソースはイチジクがちょうど良いです、柿だと少し甘すぎますね。ワインの持つ酸、甘み、味の“強さ”と共通項を見つけながら料理を作ると、上手にいくように思います。

アクセントに素揚げした松の実を散らしています。ナッツの香ばしさで中華的な味わいを演出しました。

2.ロゼとココナッツがいい相性『鶏もも肉のXO醤ココナッツ煮込み』

ココナッツミルクで煮込んだ鶏肉です。ココナッツは基本的にワインと相性がいいとは言えないのですが、このフレーバーはロゼには合わせやすいのです。

2.ロゼとココナッツがいい相性『鶏もも肉のXO醤ココナッツ煮込み』

ココナッツと抜群に合う中華調味料はXO?。この組み合わせは独立前のお店でもさせていただきました。美味しいんですよ。トマトも入れて、酸味を加えています。

ココナッツの甘み、トマトの酸味、鶏のコクのそれぞれが、「穂坂の泡」といい相性です。

酸や甘さを揃えることで、ワインと食材がつながる

先ほども少し言いましたが、酸味と酸味、味の濃さなど、料理とワインの共通項を見つけてあげるといいですね。酸味にはレモンの酸やお酢の酸など、様々なバリエーションがありますが、最初からそう細かくせずに、まずは「酸には酸」くらいの大枠で捉えていいかなと思っています。

中華風鯵のカルパッチョ イチジクソース と 鶏もも肉のXO醤ココナッツ煮込み

中華風鯵のカルパッチョ イチジクソース と 鶏もも肉のXO醤ココナッツ煮込み

コツ・ポイント

カルパッチョは、ナッツの香りがアクセント。松の実は素揚げする。ゴマやピーナッツに変えても美味しい。

鶏もも肉は、1枚をそのまま焼きあげてから一口大に切り分けると、縮みが少なく形良く仕上がる。

日本のあわ 穂坂マスカット・ベーリーA

日本のあわ 穂坂マスカット・ベーリーA

分類:スパークリングワイン ロゼ

葡萄の品種:マスカット・ベーリーA

生産地方:山梨県韮崎市穂坂地区

味わい:辛口

アルコール分:11.5%

メルシャン/1877年に設立された、日本最初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒株式会社」が原点。現在も日本ワインのリーディングカンパニーとしての存在感を持つワイナリーだ。「シャトー・メルシャン」シリーズは、日本のブドウでしか表現できない個性を追求。1970年の発売以来、世界的なワインコンクールでの受賞を重ねる。国産ブドウで造る「シャトー・メルシャン」シリーズでは、スパークリングワインだけでも5種類を揃えるなど、幅広いレンジの商品を取り揃えている。

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  • 文:柿本礼子
  • 写真:牧田健太郎