シェフごはんコラム

世界中の食通をうならせる「ペルー料理」に首ったけ♪

今回のテーマは、南米ペルー。その魅力はマチュピチュや地上絵だけではありません。“食卓はアンデス原産の食材で溢れている”ともいわれるアンデス、魚介天国の海岸地帯、そしてアマゾン・・・変化に富んだ自然がもたらす豊かな食材と、伝統的な食文化に欧州やアフリカ、アジアからの移民が持ち込んだ食文化が融合し、千変万化して発達したのがペルー料理。そのバラエティの豊かさには、南米きっての美食大国との声も多く、近年、世界中から注目を集めています。そんなペルーへ実際に渡り経験を積み、ペルー料理の素晴らしさをもっと知ってほしいと活動する荒井商店荒井隆宏シェフに、ペルー料理の魅力とレシピを教えていただきました。

真鯛のセビーチェ(ペルー風 魚介マリネ)

真鯛のセビーチェ(ペルー風 魚介マリネ)

セビーチェは、新鮮な魚介を、たっぷりのレモンとその魚介に合わせたハーブなどを加えたマリネ液に漬けて仕上げたもの。毎年6/28はセビーチェの日と制定されているほど、ペルー人に愛されています。セビーチェにつきものなのが、チョクロとカモテ。チョクロはもちもちの食感で甘くない、真っ白なとうもろこし。カモテはさつまいも。どちらも南米ではポピュラーな食材です。また、ペルー料理に欠かせないのがとうがらし「アヒ」。セビーチェに使われるのは「アヒ・リモ」で、生食に適した爽やかな辛味が持ち味。また、セビーチェのマリネ液は、現地では残さず飲み干すそう。食後の胃をさっぱりとさせてくれるので、ぜひご賞味あれ。

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ツナマヨネーズのカウサ(ペルー風 ポテトサラダ)

ツナマヨネーズのカウサ(ペルー風 ポテトサラダ)

トマトやカボチャ、落花生、じゃがいも、とうがらし、はたまた最近注目のキヌアまで、実はすべてルーツをたどるとペルーに辿りつきます。なかでもじゃがいもは、今ではペルー国内でも3000種類以上の品種が栽培され、ペルー人の食卓には欠かせない食材。じゃがいも料理の豊富さも、原産国ならではです。カウサは家庭でも定番のポテトサラダ。ここで使うとうがらしは「アヒ・アマリージョ」という黄色とうがらしで、ペースト状にしてマッシュポテトと合わせることで、鮮やかな黄色に染まります。見た目もケーキのように美しいので、色のバランスを考えて思い思いのカウサを作ってみましょう!

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ロモ・サルタード(ペルー風 牛肉と野菜の炒め物)

ロモ・サルタード(ペルー風 牛肉と野菜の炒め物)

ペルーは、古くから多くの移民を受け入れてきた多民族国。ロモ・サルタードは、19世紀に移民としてやってきた中国人の影響を受けて生まれたといわれています。なので、作り方も中華風。肉も野菜も食べやすく切りそろえておくこと、調味料をはかっておくこと、準備ができたら強火で一気に仕上げること、これがポイントです。辛味づけには刻んだアヒ・アマリージョ、そして素揚げしたじゃがいもを添えることで、ペルーらしさをプラス。酢や醤油などアジア系の調味料が使われているので、初めて食べるのにどこか懐かしく、ごはんとの相性も抜群!

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自分で作る前に、本場の味はどんなものか知りたい、という方は、ぜひお店で、荒井シェフの料理をいただいてみましょう。洗練されたその味わいに、きっと胸がときめいてしまうはず。特にロモ・サルタードは本来炎を入れて香ばしく仕上げるものなので、その香ばしさを存分に楽しめますよ!

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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