シェフごはんコラム

カレーだけじゃない!もっと気軽に「基本のインド料理」

シェフごはんコラムでも、幾度かご紹介してきたインドカレー。いくつものスパイスによって醸し出される、五感を刺激する香りと芳醇な味わいに、虜になってしまった方も多いことと思います。でも、でも、でも。インド料理はカレーだけじゃありません。いえむしろ、カレー以外のメニューをマスターしてこそ「私、インド料理作れるの」と胸をはれるといっても過言ではありません。そこで今回は、気軽に作れるインドの家庭料理をピックアップ! THE SPICEガンパティ シン ビストシェフに、シェフの生まれ故郷である北インドの家庭料理を教えていただきました。

ポークカレー(ホームメイドスタイル)

ポークカレー(ホームメイドスタイル)

インドでは宗教上、菜食主義の人々が多くタブーな食材もあるのですが、問題ない人はポークカレーも食卓に登場します。家庭で食べられるカレーは、スパイス少なめ、油も少なめで、作りやすくヘルシーなのが特長です。ホームメイドといってもシェフのこだわりはしっかり。材料やスパイスは、一気に入れるのではなく、ひとつ入れる度にしっかり混ぜて、それぞれの香りを全体に行き渡らせましょう。これを繰り返すことで、少ない種類でも奥深い味わいが実現できます。また、急激な温度変化を避けるため、煮込むための水は必ず沸騰させておきましょう。肉は煮込めば煮込むほどやわらかく仕上がります♪

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オニオン バジ(玉ねぎの天ぷら)

オニオン バジ(玉ねぎの天ぷら)

バジは、ひよこ豆の粉末(ベサン粉)にスパイスを混ぜた衣を食材にまぶし、サクッと揚げたもので、北西インドにルーツをもつ、インドでは非常にポピュラーな料理です。軽食として、または前菜、おつまみなどとしてよく食されるそう。日本のかきあげにも近いのですが、塊にして揚げるのではなく、玉ねぎスライス1本1本に衣をまとわせ、パラパラにふわっと揚げるのが大きな違い。スパイスと豆粉の風味でそのままでも十分美味しいのですが、グリーンチャツネソースが相性抜群! このソースは他の揚げものやチャパティとも好相性なので、ぜひトライしてみて!

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ベジタブルライタ(野菜のヨーグルトサラダ風)

ベジタブルライタ(野菜のヨーグルトサラダ風)

日本ではヨーグルトというとデザートのイメージですが、インドでは食事。特に北インドでは乳製品を使ったメニューがポピュラー。動物を傷つけずに得られる食物ということで、菜食主義者にも好まれています。ライタはスパイスで味をつけたヨーグルトに、生野菜や果物などを混ぜただけ、という楽ちんメニュー。サラダ風に食べたり、スパイシーな料理に添えて、口を冷やす役割もあります。ヨーグルトに混ぜる野菜は、なるべく同じ大きさに、細かく刻むことでなじみやすく、食べやすくなります。クミンシードは乾煎りしてからすりつぶすと、香りが立って、輪をかけて美味しくなりますよ♪

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異国の料理にチャレンジするとき、ついつい代表的なメニューに目がいきがちですが、それだけでなく、実際に現地で食べられているサイドメニューにも着目してみましょう。主菜と副菜の組み合わせや、食材の使い方、調理法など、その国の食文化が垣間見えてきて、いっそう楽しくなるはずです!

文:一杉さゆり
写真:千々岩友美

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