鷄肉

鷄肉

日本の養鶏は、大正時代の終わりごろから盛んになり、1940年代までは採卵が目的でした。肉は卵を産まなくなったニワトリを利用する程度だったので生産量は少なく、価格は安くありませんでした。肉用の若どりの養鶏が普及したのは1960年代からです。若どりの成長が早く、大量生産ができて安いことから身近な食材になり、良質なたんぱく質源として日常の料理に根付きました。鶏肉は、牛肉や豚肉に比べて、低エネルギー、高たんぱく質な食材です。エネルギーの4割以上は皮に含まれているので、皮なしで調理すればさらにエネルギーを減らすことができます。また、「はつ・レバー」と呼ばれる心臓や肝臓にはビタミンAが多く含まれています。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)レチノール活性当量

食材のトリビア情報

【ニワトリ社会は厳しい縦社会】
ニワトリが時を告げることは、古くから世界各地で重要視されていました。日本でもニワトリは古事記のなかの「天の岩戸の神話」に登場しています。朝、雄鶏が一斉に鳴き始めますが、これには社会的順位が高い雄鶏から鳴き始めるという決まりがあります。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス 他の肉類に比べ低エネルギー、高たんぱく質でメチオニンなどの必須アミノ酸をバランスよく含みます。メチオニンは気分が優れない方や毛髪を健やかに保ちたい方におすすめです。(※1)ビタミンAの含有率は牛肉や豚肉より多く、(※2)肌や瞳を健康ではつらつとさせます。ささ身は他の部位よりも低エネルギー高たんぱくで、減量中の栄養補給に最適です。(※3)

(※1)知っておいしい肉事典
(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)レチノール活性当量平均比較、ささ身(生)成分比較
(※3)からだによく効く食材&食べあわせ手帖
選び方 皮はクリーム色で、毛穴の周囲が盛り上がり、全体にちりめん状のしわがあるものが良質です。肉は締まりとツヤがあり、全体的にふっくらしたものを選ぶとよいでしょう。
保存 鶏肉は傷みやすいため、購入したら翌日までに食べきることが基本です。保存をするなら、下茹でをしたり、塩やオリーブオイルで下味を付けるなど、下ごしらえをしてから1回分ずつに小分けして保存しましょう。
調理ポイント 皮と肉の間についてる余分な脂肪(黄色い脂肪)は、包丁で皮をこそげるようにして取り除き下準備を。もも肉などの白く幅広のスジは、2~3㎝間隔で切れ目を入れてスジ切りをしましょう。フライパンなどで焼くときは、皮目から焼くことで、余分な脂が抜けて皮はパリッと中はジューシーに仕上がります。
品種や種類 銘柄鶏は両親が地鶏に比べ成育に優れた赤どりといわれるものと、ブロイラーといわれるやわらかい肉質が特徴の若どりがあります。銘柄鶏は飼料、飼育方法、出荷日齢などを厳しく定めています。一方、「比内地鶏」「薩摩地鶏」などの地鶏は飼育期間が80日間以上と長いので肉質はしまっていて歯ごたえがあります。

おすすめレシピ