いわし(鰯)

いわし(鰯)

日本人になじみ深い青魚の代表格「いわし」。かつては日本の総漁獲量の3割を占めるほどたくさん獲れ、安い魚の代表でした。しかし近年では獲れなくなり、価格も上昇。今ではアメリカからカリフォルニアマイワシを輸入するような状況で、日本の伝統的な干物や丸干しといった加工品の多くはこの輸入ものです。旬は夏から秋。12月から5月ごろまでは漁獲量が不安定で味が落ちるうえ、値段が高騰。暑くなるにしたがい脂がのって美味しくなります。「まいわし」の「真」は、いわし類(かたくちいわし、うるめいわしなど)の代表的なものの意味で、「いわし」は「卑しい」の転訛したものと言われています。また、水から揚げるとすぐ死ぬため、「いわし」は「弱し」の転訛したものという説や、他の魚に食べられて「弱し」という説も。

食材のトリビア情報

【「田作り」の名の由来とは】
田作りとは「かたくちいわし」の素干しのこと。いわし類は茹でて干したものを田畑の肥料にしており、とくに大阪府泉南地方の木綿栽培の必需品でした。いわしを田に入れると収穫量が増えることから、「田作り」「五万米(ごまめ)」などと呼ばれるようになったと言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 8月~10月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、含有量は20%程度です。また、ビタミンD・ビタミンB₁₂も豊富に含まれるため、健康に気を遣う方におすすめです。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB₁₂
選び方 目が澄んでいるもの、うろこがついているものは新鮮な証拠です。光沢があり、身がピンと張っているものが美味しいとされています。
保存 内臓やえらから傷みが進むため、頭と内臓を取って洗い、ペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存します。身がくずれやすいので注意しましょう。
調理ポイント 開いたり切り身にしたら、洗わないようにしましょう。身から美味しさが流れ出てしまうためです。また、「まいわし」は小骨が多く包丁を使うと残るので、手開きが基本です。独特の臭みは、しょうがと煮るとやわらぎます。酢も入れると骨までやわらかくなるのでおすすめです。
品種や種類 流通しているもののほとんどが「まいわし」か「かたくちいわし」です。特に「まいわし」は昔から日本で親しまれており、多彩な食べ方が各地に伝わっています。「かたくちいわし」は、稚魚のときは、しらす、ちりめんとなり、大きくなると煮干しに加工されます。

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