きゅうり(胡瓜)

きゅうり(胡瓜)

原産地はインドのヒマラヤで、栽培の歴史は3000年前に遡ります。日本には6世紀後半に中国から伝えられましたが、本格的に栽培されるようになったのは江戸時代からです。語源は「黄瓜(きうり)」でふだん食べている緑色のものは黄色く熟れる前の未熟果です。きゅうりは表皮を保護するためにブルームという白い粉を自ら出します。光沢がなく農薬と間違われることもあり、現在ではブルームレスというブルームを出さないものが主流になっています。ブルームレスのきゅうりはかぼちゃの台木にきゅうりの若芽を接ぎ木して作られたもので、皮はかためですが日持ちがよいです。成分のほとんどが水分なので時間がたって蒸発すると味も食感も極端に落ちます。もぎたてのみずみずしさが命なので新鮮なうちに食べましょう。

食材のトリビア情報

【これもきゅうりの仲間!?】
きゅうりが属するウリ科の野菜は世界に600種以上もあります。日本でも白うり、冬瓜、まくわうりなど、かつては代表的な夏野菜として食べられてきました。近年では沖縄や九州の地方野菜だったゴーヤ(にがうり)が人気です。もちろん、夏になると食べたくなるすいかも同じウリ科です。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 5月~8月
栄養素トピックス 成分の95%は水分です。(※1)またアスコルビナーゼという酵素が含まれており、刻んだりおろしたりするとビタミンCを含む食材とは相性が良くありません。きゅうりの苦味成分であるククルビタシンは、品種改良によってほとんど含まれなくなりました。(※2)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)水分
(※2)「食の科学」と「いのちの営み」を考えるたべもの・食育図鑑
選び方 緑色が鮮やかでハリとツヤがあるものが良質です。イボがあり、触ると痛いもの、太さが均一のものを選びましょう。曲がっていても味は変わりません。最近ではイボがない品種もでてきています。
保存 水気がついていると傷みやすいのでペーパータオルでよく拭き取りましょう。ペーパータオルで包んで保存袋に入れ、口を軽く閉めて冷蔵庫に立てて保存します。冷やし過ぎは禁物です。
調理ポイント 流水で表面をこすり洗いし、まな板の上で塩をかけて転がし(板ずり)、塩を洗い流します。農薬を落とすだけでなく、青みも保ちます。サラダや酢の物など、生で食べることが多いですが、炒め物にすると違った食感が楽しめます。中の種をとってスライスしたほうが水っぽさがなくなり食感もよくなります。両端の部分は苦味成分が含まれているので切り落とし、付け根の端の皮はむくようにしましょう。
品種や種類 一般的なきゅうりは「白いぼきゅうり」でみずみずしくサラダや漬け物に向いています。表面がちりめん状で、歯ごたえがよい「四川」は味がしみ込みやすく漬け物に向いています。石川県特産の大型品種で、直径10㎝もある「加賀太」は、果肉がかたく炒め物や煮物に向いています。イボなしのつるつるした品種で臭みがなくさわやかな味の「フリーダム」は、サラダなど生食に向いています。若採りした小型きゅうりでもろみをつけて食べることからこうよばれている「もろきゅう」は、野菜スティックなど生食に向いています。

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