なのはな(菜の花)

なのはな(菜の花)

地中海沿岸や中央アジア、北ヨーロッパなどを原産とするアブラナのつぼみと花茎、若葉を菜の花と言います。独特のほろ苦さと香り、彩りで春の訪れを告げる緑黄色野菜です。アブラナ科の花はなんと3000種類もあります。春になると店頭に並びますが、よく見てみるといろいろな野菜の菜の花が売られています。花が咲き始めると味が落ちるので、できるだけ早いうちに食べましょう。アブラナは奈良時代に渡来し、葉を食べる野菜として栽培されました。現在菜の花としては、ちりめん白菜から分離した系統の品種が多く使われています。花屋で売られている菜の花も、このちりめん白菜を改良したものです。花を楽しめるように改良し、黄色いきれいな花を咲かせています。

食材のトリビア情報

【菜の花となたね油】
野菜の菜の花の原型で、古くからなたね油用に栽培されていた日本の在来種がなたねと呼ばれます。なたね油に使うのは、花やつぼみの部分ではなく種。種を炒ってから、油を絞り出して作られます。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 12月~3月
栄養素トピックス カルシウム、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチンを含みます。さらに鉄、葉酸、ビタミンCは豊富に含まれています。とくにビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスです。同じくビタミンCの多いパセリより菜の花のほうが1回の料理での使用量も多いため、手軽に摂取できます。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)カルシウム、ビタミンB2、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチン、鉄、葉酸、ビタミンC
選び方 葉や茎の緑が鮮やかでみずみずしいもの、つぼみが開いていないものが良質です。葉も茎もピンとはっているものを選びましょう。
保存 湿らせたペーパータオルで包んで、保存袋に入れ冷蔵庫で保存します。保存期間は2~3日です。かために茹でて、水気を切り、冷ましたものを保存袋に入れ冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント 15㎝ほどの短い菜の花はやわらかい穂先の部分を摘みとっています。花が咲き始めると味が落ちるので、できるだけ早いうちに食べましょう。軸のかたい部分を切り落とし、30秒~1分くらいでさっと茹でて水気を切りましょう。ほろ苦さを活かして、お浸しや和え物が定番ですが、炒め物や天ぷらにも向きます。
品種や種類 菜の花には主に花茎とつぼみ、葉を利用する花蕾タイプの「和種菜花」と、主に花茎と葉を利用する葉茎タイプの「西洋種菜花」があります。西洋種菜花のほうが苦味が少なく甘味があります。「紅菜苔」は中国野菜で、菜の花同様、とう立ちした花茎とつぼみを食べます。この紅菜苔と菜心をもとに育成された新種の「オータムポエム」はアスパラ菜とも言われ茎にアスパラガスの風味があり、お浸しや炒め物などに向きます。「のらぼうな」は江戸の伝統野菜で、江戸時代から東京の西部を中心に栽培されてきた菜の花です。

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