はまぐり(蛤)

はまぐり(蛤)

ひな祭りや結婚式に欠かせないはまぐり。日本文化の象徴的な貝のようにも思えますが、実は国産のものはほとんどありません。国産のはまぐりが獲れなくなり、輸入に頼っているのが実情です。ただし、味は遜色なく、輸入物も美味しくいただけます。産卵期は夏なので、身が太る春が旬。水温の下がる冬には成長が止まりますが、栄養分が蓄えられるため旨みは増します。古くは、旧暦3月のひな祭りがはまぐりの食べ納めとされていました。「はまぐり」は浜にあって「栗」に似ていることから「浜栗」の名になったといわれています。また非行に走ることを「ぐれる」と言いますが、これははまぐりの貝殻を逆さにしても合わないことからきており、ハマグリ→グリハマ→グレハマ→グレルと変化したと言われています。

食材のトリビア情報

【慶事にはまぐりを使う理由とは】
はまぐりの潮汁は、ひな祭りには必須の一品。結婚の祝い事にも使われています。そもそもこれは、この貝の殻のかみ合わせが、対のもの以外は合わないことから、夫婦和合の象徴とされたためです。発案者は、八代将軍徳川吉宗と言われています。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 11月~3月
栄養素トピックス ビタミンB12、カルシウム、マグネシウム、鉄などが含まれています。(※1)毎日の健康維持のために必要な栄養素です。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)ビタミンB₁₂、カルシウム、マグネシウム、鉄
選び方 鮮度がよいものは殻にツヤがあり、口が閉じています。たたき合わせて澄んだ音がすると良質です。また、中くらいのサイズでふっくらしたものが美味しいとされています。
保存 砂抜きした後、塩水につけた状態でラップをして冷蔵庫で保存するか、洗って水気を切り、保存袋に移して冷凍庫で保存します。
調理ポイント 2~3%濃度の塩水につけて冷暗所にひと晩置き、しっかり砂抜きしてから調理します。焼きはまぐりにする場合は、ちょうつがい(貝のつけ根の部分)を切ってから焼くと、焼き汁がこぼれないのでおすすめです。
品種や種類 はまぐりには「ちょうせんはまぐり(汀線蛤)」や「しなはまぐり(支那蛤)」などがあります。前者は、汀(みぎわ:波打ち際)にいることからこの名がつき、後者が内湾性なのに対し、外洋性で、焼いたものは非常に美味しいです。現在市場を占拠しているのは、後者。輸入ものですが、味は良いとされています。

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